精選版 日本国語大辞典 「異類異形」の意味・読み・例文・類語
いるい‐いぎょう‥イギャウ【異類異形】
- 〘 名詞 〙 =いぎょういるい(異形異類)
… 13世紀から14世紀に広く活動した悪党も,武家・公家の禁圧の対象となったが,依然として根強い〈悪〉を肯定する空気に支えられ,鎌倉末・南北朝期の動乱に大きな役割を果たした。悪僧が裹頭(かとう)したように,このころの悪党も柿帷(かきかたびら)・覆面・蓑笠姿など〈異類異形(いるいいぎよう)〉といわれた服装をすることによって,世俗の規制から自由に行動したので,禁圧する側は〈異形〉自体を悪として罰した。しかもこうした服装は非人の姿でもあり,〈屠者〉を悪人とする仏教思想も加わって,穢れを清める職能を持つ非人を〈悪人〉として差別する空気も社会の一方に広がりはじめる。…
…13世紀後半から重大な政治問題となった悪党も,こうした漂泊民の動向とかかわりがあり,彼らは柿帷を着て覆面をするという漂泊民―非人の衣装を身につけ,ときには〈金銀ヲチリバメ,鎧・腹巻テリカガヤクバカリ〉(《峯相記》)という〈ばさら〉の風体で姿を現したのである。 14世紀にかけて,こうした〈ばさら〉な風潮を積極的に肯定する動きが世に広がる反面,悪党―漂泊民の風体を〈人倫ニ異ナル〉〈異類異形〉として忌避,嫌悪する風潮が定住民の側にしだいに強くなってくる。時宗の徒や禅僧を口をきわめて罵倒した《野守鏡》や《天狗草紙》はこの後者の潮流を代表しており,この2潮流は二つの政治勢力の公然たる対立にまで発展した。…
※「異類異形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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