痙性斜頸とは首周囲の筋肉、とくに前面を斜めに走る
発症年齢は10代から初老期までと広く、30~40代にピークがあります。
中枢神経や末梢神経の病気のひとつの症状として発症する場合があります。特定の動作や環境によって痙性斜頸が発生・増悪したり、特定の感覚刺激により消失・軽快する場合があり、中枢神経の運動プログラムの異常(特定の姿勢がスイッチとなり不随意運動が出現してしまう)によって発症すると推測されていますが、はっきりした原因はわかっていません。
器質的な病気がない場合でも、精神的な要素の関与により発症することがあるとされています。一部の薬剤が誘引となる場合もあります。
症状は一般的に、徐々に増悪してくる場合が多いといわれています。
基本的な不随意運動や異常姿勢は、頸部の左右へのねじれが多く、いくつかの頸部の動きが複合した異常姿勢を示します。
精神的ストレスや歩行、発語などにより増強することが多く、睡眠中は消失し、手を顔の向く側の頬にあてたりする動作で改善することもあります。不随意運動時に頸部の
前記のような症状があれば診断されますが、心因反応やヒステリー、眼性斜頸との鑑別診断が必要となります。この病気に固有の診断法はとくにありませんが、筋電図検査や超音波検査を補助的に行う場合があります。
治療は、精神安定薬や筋弛緩薬などの薬物療法やボツリヌス毒素療法、精神療法が行われますが、原因がはっきりしていないために治療効果は一様ではありません。
症状が消失する場合は20~30%と少ない報告が多いですが、ほかの部位にまで広がることはまれで、症状が固定されていくことが多いといわれています。薬物療法に効果がなく器質的な病変がある場合は、手術的治療が行われることがあります。
前記のような症状に気づいた場合、さまざまな原因が考えられるため、その区別のためにまず神経内科を受診することをすすめます。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
…一定の肢位(たとえば起立位)をとるときに,筋緊張が異常に高まり,随意運動が妨げられ,変形した肢位に固定される。ひとつの症候群で,痙性斜頸spasmodic torticollis,ウィルソン病,パーキンソン症候群など,種々の疾患にともなって出現する。また,ジストニーを呈する疾患のひとつである捻転ジストニーtorsion dystoniaあるいは変形性筋ジストニーdystonia musculorum deformansは,腰部前彎,胸部後屈,骨盤捻転,四肢の内転・内旋など,全身性のジストニーを呈し,起立時,歩行時に著しい。…
…リンパ性斜頸といわれているものは,上気道の感染症の後に斜頸になるものであるが,これは深頸部のリンパ節炎により反射性に生じたもので,疼痛を伴う。また痙性斜頸は,頸部の多数の筋肉の攣縮(れんしゆく)を伴う斜頸で,症状に変動があり,精神的要因の関与が大きいと考えられている。【吉川 靖三】。…
※「痙性斜頸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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