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意志 いし will

翻訳|will

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

意志
いし
will

心理学では,一般には人間精神のいわゆる3活動,知性,感情,意志 (知情意という) の1つ。意志動作とは,一般に意図に基づいて行われる目的追求の行動であるが,狭義には,このうち特に意識的,計画的または自由選択的な行動を意味する。

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意志
いし
will

哲学,倫理学上にいわれる意志は価値判断に基づくもので,意志を判断の主体とみなす (カント学派に多い) か,客体とみなす (W.ブントなどの心理学的哲学) かによって相違する。形而上学的には意志をすべての存在の根底とみる立場がある。

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デジタル大辞泉の解説

い‐し【意志】

あることを行いたい、または行いたくないという考え。意向。「参加する意志がある」「こちらの意志が通じる」
目的や計画を選択し、それを実現しようとする精神の働き。知識・感情に対立するものと考えられ、合わせて「知情意」という。「意志を貫く」「意志強固」
哲学で、個人あるいは集団の行動を意識的に決定する能力。広義には、欲望も含まれる。倫理学的には、道徳的判断の主体あるいは原因となるものをいい、衝動と対立する。
[用法]意志・意思――「意志」は「意志を貫く」「意志の強い人」「意志薄弱」など、何かをしよう、したいという気持ちを表す場合に用いられる。哲学・心理学用語としては「意志」を用いることが多い。◇「意思」は、「双方の意思を汲(く)む」「家族の意思を尊重する」など、思い・考えの意味に重点を置いた場合に用いられる。法律用語としては「意思」を用いることが多い。◇「意志(意思)の疎通を欠く」「意志(意思)表示」などは、話し手の意識によって使い分けられることもある。

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百科事典マイペディアの解説

意志【いし】

一般に,自発的・選択的な行動を引き起こしたり持続させたりする心的能力。〈意欲〉もほぼ同義。英語will,ドイツ語Willeなど。知性,感情と並列的に論じられることが多い(知・情・意)が,相互の関係については論者により多様。

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世界大百科事典 第2版の解説

いし【意志 will】

意志は多義的な概念で広狭さまざまにとらえられる。日常の語法で意志が〈強い〉とか〈弱い〉と言われるような場合の意志とは,人間が本能的衝動を抑制し,一定の目的意識のもとにある行動を起こしたり持続したりする人間特有の心的能力を指す。この意志が知性や感情といった他の心的機能といかなる関係にあるかという点については,哲学者や心理学者のあいだでも意見が分かれ,それぞれを自立した機能と見る知情意三分法(J.N.テーテンス)や,意志は表象や判断のような知的機能から生ずると考える主知的立場(プラトンデカルト),意志を感情の一種と見るか,あるいは少なくとも感情によって動機づけられると見る主情的立場(ブント),逆に感情を意志過程の反映と見る立場(W.ジェームズ),意志を自我にかかわる欲求と考える立場(F.E.ベネケ)などさまざまである。

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大辞林 第三版の解説

いし【意志】

考え。意向。 「 -を固める」
物事をなしとげようとする積極的なこころざし。 「 -の強い人」 「 -の力でやりとげる」
〘哲・倫〙 ある目的を実現するために自発的で意識的な行動を生起させる内的意欲。道徳的価値評価の原因ともなる。
〘心〙 生活体が示す目的的行動を生起させ、それを統制する心的過程。反射的・本能的な行動とは区別される。
文法で、話し手のある事を実現させようとする意向を表す言い方。口語では助動詞「う・よう」、文語では助動詞「む(ん)」「むず(んず)」を付けて言い表す。 〔元来は漢籍に典拠を持つ語。西周にしあまねによって英語 will の訳語とされ、「哲学字彙」(1881年)にも載り、定着した〕 → 意思(補説欄)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

意志
いし
will英語
volontフランス語
Willeドイツ語

価値の感情を伴う目的動機に促され、その目的の実現によって終わる一連の心的プロセスが、普通、「意志」とよばれている。一般に人間の行為は、これから遂行される行為によって実現されるはずの未来のできごと、つまり「目的動機」、および、この目的動機=企図そのものを決定づけた利害、関心、状況判断、性格、習慣等々の「理由動機」とによって説明される。「未来」先取り的な目的動機と「過去」の諸経験に根ざす理由動機とが互いに連結しつつ、行為とよばれるある統一的な連関を形成し、「意志」はその連関を貫通すると考えられている。
 しかし、哲学思想史上「意志哲学」と称されるショーペンハウアーやニーチェの哲学によれば、根源の「意志」はいわゆる「動機」をも超えたところで威力を振るい、それゆえ「動機」によっては説明されえない。ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』(1819)によれば、動機は一定の時と場所と状況における意志の発動を説明し、その意味で「動機の法則」は行為に関する一種の根拠律ではあるが、しかしそれは「そもそも意志する」という始原の事実、いわゆる「生への意志」を理由づけ、説明するものではない。
 根拠律(理由律)とは、すべて事物や事態がかくかくにあるについては、それに対する十分な根拠(理由)がなければならないというものであり、行為の場合の充足根拠律は、結局、「動機の法則」であるが、ショーペンハウアーによれば、「動機」は個々の経験から推究され、不完全な仕方で合成された人間の(経験的)性格との関係においては、その人間の行為について十分な根拠(理由)づけをなし、説明を与える。しかし、人間が「そもそも意志する」という始原的事実は、まったく根拠律の外にあり、一般に合理性を旨とする科学的認識、根拠律を手引きとする体系的認識をもってしては、主観にとっての客観であるにすぎない「表象」相互の関係(理由と帰結の関係)はとらえられても、表象の世界の根底にある「意志」の世界には届かないのである。
 時間空間および因果によって構成される「表象」の根底には、「物自体」である「意志」が渦巻いているとするショーペンハウアー哲学の真髄は、知性の力によっても容易に脱しえない意志衝動の支配下に人間は置かれているという非合理主義的な洞察にあり、西洋哲学思想の主流の伝統=理性主義に反逆するこの洞察は、「力への意志」を説いたニーチェにも受け継がれている。[山崎庸佑]
『ショーペンハウアー著、斎藤忍随他訳『意志と表象としての世界』(『ショーペンハウアー全集2~6』1972・白水社)』

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世界大百科事典内の意志の言及

【意欲障害】より

…欲動と意志をあわせて意欲という。欲動は自発的に発生する,何かをしようとする衝動であり,緊張した,不快な感情をともなうが,それが解放されると快の感情が生じる。…

【主意主義】より

…一般に知性よりも意志・意欲――必ずしも人間の意志には限られない――を重視する神学,哲学,心理学上の立場。意志を精神活動の中心に据えるアウグスティヌスや,神における意志の優位を説くドゥンス・スコトゥスの教説は神学上の主意主義である。…

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