真紅の帆(読み)しんくのほ(その他表記)Alye Parusa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「真紅の帆」の意味・わかりやすい解説

真紅の帆
しんくのほ
Alye Parusa

ソ連の作家アレクサンドル・グリーン (1880~1932) の小説。 1920~21年執筆,23年発表。漁夫ロングレンの娘でみなし子となったアッソーリが,みずからの夢を運んでくる真紅の帆の船を長い間待ち,船長のグレーと結ばれる。作者自身が「おとぎ話」と名づけているとおり,ロマンチックな幻想に満ちた物語

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世界大百科事典(旧版)内の真紅の帆の言及

【グリーン】より

…ソビエト文学にはまれな幻想的でロマンティックな作風が,作者自身の特異な経歴とあいまって一世を風靡した。《真紅の帆》《輝く世界》(以上1923),《波の上を駆ける女》(1928)などの代表的中・長編のほかに,数多くの短編がある。スターリン時代には現実離れした幻想作家として批判され,いまだに正統的な文学史で大きく扱われることはまれだが,自由を求めてやまなかった彼の幻想・冒険小説は現代でもロシアの若者たちの強い支持を得ている。…

※「真紅の帆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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