石油緊急融通制度(読み)せきゆきんきゅうゆうずうせいど(その他表記)international oil-sharing plan in emergency

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石油緊急融通制度」の意味・わかりやすい解説

石油緊急融通制度
せきゆきんきゅうゆうずうせいど
international oil-sharing plan in emergency

石油供給の緊急時に,主要石油消費国間で備蓄石油を相互に融通する制度。 1974年 11月フランスを除く先進 16ヵ国 (のち日本をはじめ OECD加盟 21ヵ国で構成) で結成された国際エネルギー機関 IEAの主要目的の一つ。 73年 10月の第4次中東戦争の際アラブ産油国の生産制限,禁輸で大きな打撃を受けた先進諸国が将来の緊急時にそなえて設けた制度で,その内容は,平常時の石油輸入量 90日分の備蓄と緊急時 (IEA加盟国全体で消費の7%以上の供給削減を受けるかあるいはその可能性のあるとき) の需要抑制義務と備蓄取りくずし,加盟国間での入手可能石油の融通義務から成る。融通制度の実際の運用,管理は IEAの緊急融通問題に関する諮問機関 IABがあたる。 IABは石油会社 15社で構成される。

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