稲野辺村（読み）いなのべむら

日本歴史地名大系

稲野辺村
いなのべむら

• 茨城県：下館市
• 稲野辺村

[現在地名]下館市稲野辺

下館城下の北に接し、東は市野辺（いちのべ）村。文明一〇年（一四七八）水谷勝氏が下館に築城後、同氏領となり、江戸時代は寛永一九年―寛文三年（一六四二―六三）の在番時代を除き、下館藩領。元和九年（一六二三）の水野谷様御代下館領村々石高并名主名前控（中村家文書）に村高三五〇・一〇五石とあり、天保八年（一八三七）の常陸御国絵図御改之記（同文書）には鎮守稲荷明神、家数四五、馬一三とある。木綿晒業は下館地方のなかでも当村の仙在（せんざい）橋付近がとくに盛んで、同一三年の晒賃銀割合帳（同文書）に当村の五名、安政四年（一八五七）の木綿晒屋議定書（塚田家文書）に中尾久兵衛が名を連ねる。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」