内科学 第10版 「糖蛋白代謝異常症」の解説
糖蛋白代謝異常症(脂質代謝異常症、糖蛋白代謝異常症、ムコ多糖症)
a.シアリドーシス
ライソゾーム性ノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)の異常による常染色体劣性遺伝病である.臨床的に2つのグループに分けられる.Ⅰ型はcherry-red spot-myoclonus症候群とよばれており,チェリーレッド斑とミオクローヌス,小脳性の失調,痙攣が特徴である.これらの症状とガーゴイリズムや骨格変形を特徴とするのがⅡ型である.
b.ガラクトシアリドーシス
一次的なカテプシンA活性の低下と二次的なライソゾーム性シアリダーゼおよびβ-ガラクトシダーゼ活性の低下が起こり,シアリドーシス類似の臨床症状をきたす常染色体劣性遺伝病である.若年/成人型の症例のほとんどが日本人である.10歳以後に視力障害で発症し,小脳性の失調,ミオクローヌス,痙攣,眼底のチェリーレッド斑,角膜混濁,被角血管腫,ガーゴイリズム,骨の変形,リンパ球の空胞化,腎障害,心障害などの多彩な臨床症状が出現する.[宮嶋裕明]
■文献
Peroxisomes & Lysosomal enzymes. In: The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease, 7th ed(Scriver CR, Beaudet AL, et al eds), pp2287-2882, McGraw-Hill, New York, 1995.
Genetic diseases of the CNS. In: Merritt’s Neurology, 12th ed (Rowland LP, Pedley TA, eds), pp614-632 & 646-650, Lippincott Williams & Wilkins, New York, 2009.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報