細胞性変形菌類(読み)さいぼうせいへんけいきんるい(その他表記)Acrasiomycetes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「細胞性変形菌類」の意味・わかりやすい解説

細胞性変形菌類
さいぼうせいへんけいきんるい
Acrasiomycetes

細胞性粘菌類,アクラシア類,無遊子類ともいう。本体はアメーバ状の細胞で,これが多数集合して変形体状になる。これは変形菌類の変形体と異なり,アメーバ細胞同士が融合して一体とはならないので,偽変形体 pseudoplasmodiumと呼んでいる。偽変形体はバクテリアなどを捕食しながら成長するとともに,中央に移動し,そこを拠点として子実体が結成される。すなわちソロフォア sorophoreと称する円柱状または分枝をもつ糸状体を生じ,それらの先端部に胞子の塊をつけるようになる。胞子は再びアメーバ状になり,生活史を繰返す。一般に林下の腐植土壌,野生動物の糞など,バクテリアなどの微生物が繁殖しうるような場所から採集することができる。ディクティオステリウム Dictyostelium,ポリスフォンディリウム Polysphondyliumなどがよく知られている。

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世界大百科事典(旧版)内の細胞性変形菌類の言及

【アクラシス】より

…土壌や腐植葉などに普通に見られる変形菌門アクラシス目の代表的な菌である。細胞性粘菌類,細胞性変形菌類ともいう。細胞は真核細胞で,従属栄養を営むが,単核のアメーバ状の栄養細胞があり,これが固形物を摂取し,体内消化する。…

※「細胞性変形菌類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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