家庭医学館 「線状IgA水疱性皮膚症」の解説
せんじょうあいじーえーすいほうせいひふしょう【線状IgA水疱性皮膚症 Linear IgA Bullous Dermatosis】
全身にかゆみをともなう紅斑(こうはん)が出現し、その周辺に小さな水疱(すいほう)が環状にできるものです。小児にも成人にもおこります。
[検査と診断]
皮膚の細胞を調べ、真皮乳頭部(しんぴにゅうとうぶ)に白血球(はっけっきゅう)の一種の好中球性(こうちゅうきゅうせい)の小さな膿瘍(のうよう)が確認でき、蛍光抗体法(けいこうこうたいほう)で皮膚細胞の基底膜部にIgA(免疫(めんえき)グロブリンA)が線状に沈着していたり、血中にIgA抗表皮基底膜部抗体(こうひょうひきていまくぶこうたい)があれば診断がつきます。
日本では、真皮乳頭部にIgAが顆粒状(かりゅうじょう)に沈着するジューリング疱疹状皮膚炎(ほうしんじょうひふえん)はまれで、本症が比較的多くみられます。
[治療]
DDS(ジアフェニルスルホン、ダプソン。商品名レクチゾール)という薬の内服が中心ですが、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンを少量内服する場合もあります。