縄文漆製品(読み)じょうもんうるしせいひん

知恵蔵 「縄文漆製品」の解説

縄文漆製品

北海道函館市の垣ノ島B遺跡から発見されていた赤漆塗りの装飾品が2001年6月、世界最古の約9000年前(縄文時代早期)の製品と分かった。墓の被葬者の体に掛かっていた糸状の製品だったが、02年12月に保管していた町文化財調査団事務所の火災で損壊した。青森県野辺地町の向田(18)遺跡では、約5000年前(同前期)の厚さ3mmという精巧な長円形の木製黒色漆器(長さ13cm)、同県八戸市の是川中居遺跡からは約3000年前(同晩期)の彫刻がある赤色漆塗り木製品がそれぞれ00年に出土。多彩な漆の文化が注目されている。

(天野幸弘 朝日新聞記者 / 今井邦彦 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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