能呂郷(読み)のろごう

日本歴史地名大系 「能呂郷」の解説

能呂郷
のろごう

和名抄」東急本・高山寺本とも訓を欠く。高山寺本で「能台」につくるのは誤記。山梨東郡の一つで甲府盆地の東縁に位置し、現在の東八代郡一宮町東半から東山梨郡勝沼かつぬま町南半にかけてを郷域としていたと推定される。中世以降は「野呂」と書き、現一宮町南野呂・北野呂はその遺称地。三枝守国開創伝説をもつ勝沼町柏尾の大善かしおのだいぜん寺の寺伝によれば、承和年中(八三四―八四八)に守国が都から「甲斐国野呂郷」に配流となり、一宇の堂に薬師仏を安置したのが同寺薬師堂の起りであるという(文明七年一〇月「三枝先祖相伝継図」大善寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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