脛当・臑当・髄当(読み)すねあて

精選版 日本国語大辞典 「脛当・臑当・髄当」の意味・読み・例文・類語

すね‐あて【脛当・臑当・髄当】

〘名〙
武装の小具足の一種。敵の攻撃に備えて脛を包みおおうもの。鉄板三枚を蝶番留(ちょうつがいどめ)とした筒脛当(つつすねあて)、この上に膝の覆いをつけた大立挙(おおたてあげ)、小鉄板による篠脛当(しのすねあて)、鎖だけを家地(いえじ)につけた鎖脛当、篠を鎖でつないで家地のない越中脛当などがあり、時代によって相違する。すねよろい。
※兵範記‐保元元年(1156)七月一〇日「多用紺水干小袴、或用生絹、皆蒙冑折烏帽子、付骸宛、着革貫、僮僕負胡籙甲」
太平記(14C後)六「銀の磨著(みがきつけ)の腨当(スネアテ)に金作の太刀二振帯(はい)て」
② 野球の捕手などが、脛を保護するために用いる道具。〔新語常識辞典(1936)〕
[補注]①に相当するものは古くから存し、二枚鉄の筒状のものが古墳から出土されたり、札(さね)製とおぼしきものを着けた姿の武装埴輪が発掘されたりしているところから、「三代格‐一八」に認められる「脚纏」(弘仁六年二月一六日)、「足纏」(貞観一二年一月一五日)も脛当のことと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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