腐市(読み)くされいち

精選版 日本国語大辞典 「腐市」の意味・読み・例文・類語

くされ‐いち【腐市】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 廃物やがらくたを売買する市。
  3. 東京日本橋大伝馬町一帯で毎年夷講(えびすこう)の前日にあたる一〇月一九日から二〇日にかけて開かれる市。もと掛鯛を売るのが起こりだという。野菜浅漬大根などが売られる。べったら市。
    1. [初出の実例]「生きた目も抜のは馬のくされ市」(出典:雑俳・柳多留‐九七(1828))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の腐市の言及

【べったら市】より

…東京日本橋の大伝馬町一帯で毎年10月19日夜に開かれる市。翌20日の夷講(えびすこう)の用品を売る市で,神棚,三方(さんぼう)などのほか,近くの魚河岸から売れ残りの干魚などを持ち込んで売ったもので,〈腐市(くされいち)〉と呼ばれていた。《守貞漫稿》にはそれらのほかに,ダイコンの浅漬(あさづけ)を売るようになったことが記されており,この浅漬を〈べったら漬〉と呼んで市民が愛好したため,〈べったら市〉の名が起こった。…

※「腐市」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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