膜電位感受性色素(読み)マクデンイカンジュセイシキソ

化学辞典 第2版 「膜電位感受性色素」の解説

膜電位感受性色素
マクデンイカンジュセイシキソ
membrane potential-sensitive dye

神経細胞を染色すると,膜電位に応じて細胞内外に分布し,その分布状態を光学測定することにより,膜電位の変化を検出することができる色素のこと.測定は光透過率やレーザー光による蛍光強度変化を,フォトダイオードアレイや高速で動作するCCD(電荷結合型素子)デバイスMOS(金属酸化物半導体)スイッチングフォトダイオードアレイ(例:90×60 pixels,0.75 ms/frame)を用いて行われ,神経活動の多点測定法の一つとして発展をとげてきた.膜電位感受性色素にはオキソノール系,メロシアニン-ローダニン系,スチリル系など各種の色素があり,-25~-90 mV の膜電位範囲で約1% mV-1 の蛍光強度変化が得られる.カルシウムイオン濃度と膜電位の相関解析,抗生物質に対する細胞の生存率の分析,ATP感受性カリウムイオンチャネルの活性評価などの研究に応用されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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