コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

光学 こうがくoptics

翻訳|optics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

光学
こうがく
optics

光に関する現象を扱う物理学の部門。光を光線とみなし,その反射,屈折,結像などを論じる幾何光学と,光を波動とみなし,その干渉,回折,偏光,分散などを論じる物理光学とに大別される。また光波は電磁波であるから,光学現象をマクスウェル方程式によって研究することができ,これを電磁光学という。結晶による光の複屈折や旋光などを研究するものを結晶光学という。プリズムや回折格子を用いて光をスペクトルに分解し,光の放射や吸収のメカニズムを研究するものを分光学といい,分光学的方法を用いて物質の性質を研究する分野を光物性学という。レーザーや原子と光の相互作用を取扱う場合,量子光学ということもある。また光が視覚に及ぼす効果を研究する色彩学や生理光学も広い意味では光学の一部である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

光学【こうがく】

の性質および光に関連した現象を研究する物理学の一部門。幾何光学物理光学の2分科を主とし,ほかに分光学,色彩論,視覚論等が含まれる。古くから発達した分野で,実用面でも重要。
→関連項目光学器械工業

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

こうがく【光学 optics】

光に関する諸現象および光に対する物質の性質を扱う学問総称。光を光線の集合と見て,その進み方や像の結び方を研究する幾何光学と,光を波動と見て,その物理現象を研究する物理光学(波動光学)に大別されるが,分光学,色彩論なども含めることが多い。このような意味での今日の光学は物理学の一分科にすぎないが,少なくとも17世紀までは,科学者ばかりか,哲学者や神学者さえもこの学問に取り組んだ。しかも,光学の名のもとに,反射や屈折だけではなく,視覚の問題や,場合によっては眼球解剖学生理学すら論じられたのである。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

こうがく【光学】

物理学のうち、光の性質について研究する分野。幾何光学・物理光学・分光学などがある。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

光学
こうがく
optics

伝統的な物理の教育体系(力学、電磁気学、熱力学、振動・波動、光学)の一つであり、光の本質や光がかかわる自然現象、そして光を利用した装置開発などをおもな研究対象とする物理学の一分野。ここでいう「光」とは、おもに可視光、赤外光、紫外光のことである。
 あらゆる光学現象は、光の量子性までを取り入れた量子光学で説明可能であるが、とくに量子性を議論しないのであれば、マクスウェルの方程式に基づいた波動光学で十分である。さらに、光の偏光状態や波としての回折の効果も無視できるのであれば、光の直進性のみを使った幾何光学の考え方による説明が便利である。[久我隆弘]

幾何光学

幾何光学は、光の伝播(でんぱ)を光線という概念でとらえる。そして、光線が均質な媒質中では直進し、異なった媒質との境界面に入射すると反射・屈折の法則に従ってその方向を変えるという性質をもっていることを利用して、被写体の像をできるだけ正確に再現する方法を研究する。再現された像を見たときに、被写体を直接見たときとまったく同じである場合にはその像は理想的な像であるといい、このような像をつくった結像系を理想的な結像系であるという。もしも像が被写体と違っている場合には収差があるという。一つの波長の光、すなわち単色光でも検出される収差を球面収差、使用する光の波長により像のでき方が異なるために生ずる収差を色収差という。このように幾何光学は、被写体から放射され、または反射された光線により像をつくる方法を研究する。また、元の光線そのものではなく、被写体の像を再現するのに必要な情報だけを伝播するための新しい媒体として光を利用することができるようになってきた。これが広義の光学情報論であって、フーリエ結像論、ホログラフィー、画像情報処理論などが含まれる。テレビ放送、宇宙ロケットからの星の写真伝送などもこれに含まれる。なお、幾何光学を広義の結像論と解釈し、これらも幾何光学の研究対象に含めるようになってきた。[石黒浩三]

波動光学

マクスウェルの方程式から導かれる波動方程式を基本方程式とし、光を電磁場の振動(電磁波)として取り扱う学問分野。光の回折、干渉、散乱現象や、偏光状態など、幾何光学では説明できない現象、状態が説明可能である。さらに、光ファイバー、フォトニック結晶、メタマテリアルなどの人工構造体中での光伝播も、波動光学でなければ記述できない。
 また、現実的な光のモデルとして、一つの軸(光軸)の周りに光のエネルギーが集中して伝播するという近似(近軸光線近似)を行ったものは、ビーム光学ともよばれ、レーザー光の伝播を記述するのに便利なのと同時に、幾何光学の素朴な拡張としての意味ももつ。[久我隆弘]

量子光学

電磁場を量子化し、光をエネルギー量子として取り扱う学問分野。1980年代後半から世界各国で盛んに研究が行われるようになった。波動光学、幾何光学を包含するが、自然現象のなかで説明するのに光の量子性(量子光学)が真に必要となるものは、黒体輻射(ふくしゃ)スペクトルと光の自然放出過程ぐらいである。しかし、21世紀に入ってからは、量子情報処理の観点からの研究が進展しており、将来的には光の量子性を利用した新しいデバイス(量子メモリー、量子コンピュータなど)や情報伝達手段(量子暗号、量子テレポーテーションなど)の開発が期待されている。[久我隆弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の光学の言及

【遠近法】より

…語源はラテン語のperspicere(明らかに見る)。中世ヨーロッパでは光学と同義に用いられた。狭義には線的遠近法あるいは透視図法と訳されるが(透視図),広義には絵画・浮彫などの二次元的造形表現における空間知覚の表現方法のすべてに適用される。…

【グロステスト】より

…中世イギリスの自然哲学者,光学者,神学者。サセックス州の貧しい家庭に生まれたが,オックスフォードとパリで教育を受けた後,オックスフォード大学学芸学部でアリストテレスの《詭弁論駁論》《分析論後書》を講じた。…

【光の形而上学】より

…光はさらに〈第一の物体的形相〉と規定され,あらゆる自然的作用の根底にある原因とみなされた。ここに自然研究の基礎あるいは核心として光学が位置づけられ,R.ベーコン,ウィテロ,ペッカムらに光の科学的研究のエートスを提供した。 ルネサンスにおいて,新プラトン主義の復興にともない,光の形而上学的意義が強調されたが,近代になると,ニュートンの《光学》にみられるように,光を数理科学的な対象とみなす傾向が促進され,形而上学的側面はしだいに忘れ去られていった。…

※「光学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

光学の関連キーワードオプティカルビューファインダーアッベ(Ernst Abbe)オプティカルセンサーマウス光学式ビューファインダーオプティカルファインダーオプティカルドライブ光学ディスクドライブ光学センサーマウスオプティカルズームオプティカルマウス光学式ファインダー光学ファインダーデンシトメトリーオプトネクサスHOYA[株]レーザーマウスイメージサイズ光軸折曲げ式赤外線マウス波面補償光学

今日のキーワード

ムガベ大統領

1924年、英植民地の南ローデシア(現ジンバブエ)生まれ。解放闘争に参加し、80年にジンバブエを独立に導いた。同年から首相、87年から大統領として実権を握り続けた。2000年以降は白人農場主の農園を強...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

光学の関連情報