普及版 字通 「膰」の読み・字形・画数・意味


16画

(異体字)
20画

[字音] ハン
[字訓] ひもろぎ・やきにく

[説文解字]

[字形] 形声
声符は番(はん)。番は獣掌の形。〔説文〕十下に字をに作り、「宗の火孰(くわじゆく)せるなり。炙(しや)に從ひ、番聲」とするが、番は獣掌の象形。では炙は限定符とみるべきでないから、字は会意。膰は限定符の肉に従うので形声字となる。〔左伝、僖二十四年〕「天子、事るときは膰す」、また〔周礼、春官、大宗伯〕「膰(しんぱん)の禮を以て、兄弟の國を親しうす」の〔注〕に「膰とは、稷(しやしよく)宗なり。以て同姓の國に賜ふ。祿を同(とも)にするなり」とあって、祭肉をいう。わが国のひもろぎにあたる。〔玉〕に「肝(きも)なり」とあり、内臓を用いることもあったのであろう。

[訓義]
1. ひもろぎ、やきにく、祭肉。
2. きも。
3. 大きなはら、太った腹のさま。

[古辞書の訓]
名義抄〕膰 キモ

[語系]
膰()・燔biuanは同声。焚biunも声義が近い。膰・燔は番声で、肉をやく意を含む。

[熟語]
膰俎膰肉
[下接語]
執膰・羞膰・膰・致膰・羊膰

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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