六訂版 家庭医学大全科 「舌癒着症」の解説
舌癒着症(舌小帯短縮症)
ぜつゆちゃくしょう(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)
Ankyloglossia (Tongue-tie)
(口・あごの病気)
どんな病気か
舌の下面には舌のほぼ先端から口底部にかけて、舌小帯という薄いひだ状の構造があります。正常な状態では、舌の運動、とくに発語時、
しかしまれに、この舌小帯が太く短い場合があり、舌が舌小帯によって口底部方向に固定され、舌全体が動きにくい状態となることがあります。
原因は何か
先天的な異常ですが、遺伝様式は明らかではありません。
症状の現れ方
2~3歳になって発音(とくにラ音、サ音)がうまくできないという症状で気づくことが多いようです。「舌っ足らず」な発語といえます。
検査と診断
舌の形が真んなかでひきつれた逆ハート型になっていて、舌を前へ突出させるとさらにハート型がはっきりします。
治療の方法
舌小帯進展手術という小手術によって、短い舌小帯を伸ばすことで完治します。口腔外科専門医、または小児歯科医に相談することをおすすめします。
近藤 壽郎
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報