英国学位授与機構(読み)えいこくがくいじゅよきこう

大学事典 「英国学位授与機構」の解説

英国学位授与機構
えいこくがくいじゅよきこう

イギリスの高等教育機関の質の維持と向上を目的とした,パブリック・セクターの学位審査・授与機関で,ロビンズ委員会の勧告にもとづき1965年に創設された。1960年代のイギリス政府は大学数の増加を望まず,中央政府が管轄できる非大学型高等教育機関であるポリテクニクと継続教育機関の機関数の拡大を促進した。以前から,一般的に継続教育機関や技術教育を担う技術カレッジは大学と比較して教授内容の質が劣ると見なされていたが,1955年,これら非大学機関の教育水準と質の向上を図るために,英国工学学位授与機構(National Council for Technological Awards: NCTA)が創設された。1964年,NCTA任務は英国学位授与機構(CNAA)に引き継がれ,それ以降,継続教育機関による学位授与もCNAAを通じて可能となった。CNAAは地方の教育機関の水準を大学レベルへ引き上げるため短期的な便宜をはかるだけの予定であったが,異なる部門間で学位を認可する機関が必要となったため,高等教育の一元化が実現した1992年まで存続した。
著者: 秦由美子

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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