菟束庄(読み)うつかのしよう

日本歴史地名大系 「菟束庄」の解説

菟束庄
うつかのしよう

古代の七美しつみ兎束うつか(和名抄)の郷域に成立したと思われる皇室領(京都長講堂領)庄園。庄域は湯舟ゆぶね川の上流域、現村岡町の南部にあたると考えられ、現在の福岡ふくおかは近世初期には菟束村と称していた(慶長六年「山名豊国知行目録」池田家文書など)。兎束・宇塚などとも書いた。建久二年(一一九一)一〇月の長講堂領目録(島田文書)に「菟(束)・小代庄」とあり、小代おしろ庄と併記され、両庄で正月元旦に使用する御簾二間・御座二枚・殿上紫畳二枚・侍所垂布一反・砂六両、三月御八講砂五両、次雑仕装束一具(九月九日料)、月宛仕丁一人(七月料)、彼岸御布施布五反(八月料)、御更衣畳一枚(小文、四月料)、門兵士三人(楊梅面門、六月三〇ヵ日)などが課役とされていた。弘安八年(一二八五)の但馬国太田文によると庄田は五二町一反半三八歩。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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