言抜(読み)いいぬく

精選版 日本国語大辞典 「言抜」の意味・読み・例文・類語

いい‐ぬ・く いひ‥【言抜】

[1] 〘他カ四〙
※拘幽操辨(1686)「唐の書に此やう深切に君臣大義をいひぬいた書はないぞ」
隠し事や秘密を言葉にして明るみに出す。
方丈記私記(1970‐71)〈堀田善衛〉六「職業上の秘密を、こうもぬけぬけと言い抜かれたのではたまったものではない」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒いいぬける(言抜)

いい‐ぬ・ける いひ‥【言抜】

〘他カ下一〙 いひぬ・く 〘他カ下二〙 うまく言いつくろって罪になることや責任をとることを避ける。巧みにごまかして苦境から脱する。いいのがれる。
四河入海(17C前)八「何とも云いぬけうずようをも不知を、獄吏が是をきぶうせめたぞ」
浄瑠璃傾城反魂香(1708頃)中「恋故今はあの体すすどけなふて智恵満々、閻魔(ゑんま)の庁でもいひぬける」

いい‐ぬけ いひ‥【言抜】

〘名〙 言い抜けること。言い逃れ。遁辞(とんじ)
浮世草子傾城色三味線(1701)京「とかく口さきでは、いひぬけのやうにて一分よはし」
※卍(1928‐30)〈谷崎潤一郎〉一五「自分にも責任あるよって帰るに帰られへん、そんでとうとう今迄傍についたげてたんやと、うまいこと云ひ抜けしましたのんです」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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