赤毛のレドメイン家(読み)あかげのれどめいんけ(その他表記)The Red Redmaynes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤毛のレドメイン家」の意味・わかりやすい解説

赤毛のレドメイン家
あかげのれどめいんけ
The Red Redmaynes

イギリスの推理作家E・フィルポッツの推理小説。1922年発表。推理小説の古典的名作とされる。ダートムアにマス釣りに出かけたイギリス警視庁の青年刑事ブレンドンは、1人の美しい婦人をかいま見て、恋心を燃やす。また髪も口髭(くちひげ)もみごとに赤い1人の男に話しかけられる。それから4日後、その近くの建築中のバンガローで殺人事件が起こる。主人のミカエル・ペンディングが殺され、彼の妻の伯父のロバート・レドメインが犯人らしいという。そしてこの男こそ、4日前ブレンドンに話しかけてきた男であり、美しい婦人が被害者の妻であったこともわかる。みごとな自然描写のなかに、犯罪心理と推理小説的構成が巧みに絡み、大きな意外性がいくつも用意されている。

[梶 龍雄]

『宇野利泰訳『赤毛のレドメイン家』(創元推理文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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