越蘇郷(読み)えそごう

日本歴史地名大系 「越蘇郷」の解説

越蘇郷
えそごう

和名抄」所載の郷。東急本に「恵曾」と訓ずる。遺称地は現七尾市江曾えそ町で、郷域は同地周辺であろう。推定郷域内には院内勅使塚いんないちよくしづか古墳がある。一辺約二二メートル、高さ約三・七メートルの二段築成、墳丘は版築工法が用いられており、七世紀前半の築造と考えられ、能登国造一族の墳墓とする説も有力である。律令制下に入ると北陸道支路の越蘇駅が設置された。「日本後紀」大同三年(八〇八)一〇月一九日条によると、この日同駅は廃止されたかのようであるが、「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条や、「和名抄」高山寺本居処部に駅名がみえるので、大同三年には廃止されなかった可能性が強い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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