遊記(読み)ゆうき

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世界大百科事典(旧版)内の遊記の言及

【旅行記】より

…【飯森 嘉助】
【中国】
 前近代における中国でも,旅行の量的拡大,質的変化に応じてさまざまな旅行記や紀行文が作られた。5世紀初期の法顕(ほつけん)《仏国記》や7世紀中期の玄奘(げんじよう)《大唐西域記》(旅行記としては《大慈恩寺三蔵法師伝》も含め)のように,大陸的な規模の旅行記があり,歴史的資料として高い価値をもっているが,中国の文芸全体の中からみればむしろ例外的なもので,文芸の一分野として確かな位置を占め,多くの作品が生み出されて多様な発展を遂げたのは〈遊記〉と呼ばれるものであった。遊記は図書分類において地理書の一部とされる場合もあるが,一般にはより広く旅行家の記録,文人の紀行文などまでを含み,主として国内の名山名水への遊行による見聞を素材に,一方では文学的色彩を強くし,詩賦と並んで文人の作品では不可欠な文章の一つとなり,一方では実録的・学術的色彩を強め,旅行記を超えて独立した分野の形成につながった。…

※「遊記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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