(読み)ユウ

デジタル大辞泉 「遊」の意味・読み・例文・類語

ゆう【遊】[漢字項目]

[音]ユウ(イウ)(漢) (呉) [訓]あそぶ
学習漢字]3年
〈ユウ〉
あちこち出歩いてあそぶ。「遊歩遊覧清遊
よその土地に出かける。「遊学遊子遊説ゆうぜい外遊周遊西遊せいゆう・さいゆう曽遊そうゆう漫遊歴遊
楽しみにふける。「遊戯遊客遊興遊蕩ゆうとう遊里豪遊
働きをしない。職に就かずぶらぶらする。「遊金遊民・遊休地」
位置を定めず自由に動き回る。「遊軍遊撃遊星遊牧遊離
野球で、「遊撃手」の略。「三遊間
(「」の代用字)およぐ。水上を動き回る。「遊泳回遊
〈ユ〉あちこち歩く。よその土地に出かける。「遊行ゆぎょう遊山
[名のり]なが・ゆき
難読糸遊いとゆう

ゆ【遊】[漢字項目]

ゆう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「遊」の意味・読み・例文・類語

あそび【遊】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あそぶ(遊)」の連用形の名詞化 )
  2. 思うことをして心を慰めること。狩猟酒宴行楽、遊戯などで楽しむこと。
    1. [初出の実例]「春さらば逢はむと思(も)ひし梅の花今日の阿素毗(アソビ)にあひ見つるかも」(出典:万葉集(8C後)五・八三五)
    2. 「あそびをせんとや生まれけむ、たはぶれせんとや生まれけん」(出典:梁塵秘抄(1179頃)二)
  3. 詩歌管弦、舞などを楽しむこと。
    1. [初出の実例]「打橋の つめの阿素弭(アソビ)に 出でませ子」(出典:日本書紀(720)天智九年・歌謡)
    2. 「をりをりの御あそび、その人かの人の琴、笛、もしは声の出でしさまに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
  4. あそびめ(遊女)
    1. [初出の実例]「遊女 夜発附 楊氏漢語抄云遊行女児〈宇加礼女 一説云阿曾比〉」(出典:十巻本和名抄(934頃)一)
    2. 「あそびどものつどひ参れる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)澪標)
  5. からかったり、もてあそんだりする対象。なぐさみもの。おもちゃ。
    1. [初出の実例]「のって来たを連れて来て、おいら三人が遊びにするのだ」(出典:洒落本・南江駅話(1770))
  6. 賭け事や酒色にふけること。遊里、料亭などで楽しむこと。遊興。
    1. [初出の実例]「あそびでは無いと四ツ手の直をねぎり」(出典:雑俳・柳多留‐一二(1777))
  7. 仕事や勉強の合い間の休憩。「あそびの時間」
  8. しまりのないこと。たるみ。
    1. [初出の実例]「面長な顔は肉にあそびがなく木彫のようにしまっている」(出典:総会屋錦城(1958)〈城山三郎〉一)
  9. 生活上の仕事などにあくせくしないで、自分のしたいことを楽しむこと。気持ゆとりを持つこと。また、文学などで、人生から離れた美の世界を追究すること。
    1. [初出の実例]「あらゆる為事に対する『遊び』の心持が、ノラでない細君にも、人形にせられ、おもちゃにせられる不愉快を感じさせたのであらう」(出典:あそび(1910)〈森鴎外〉)
  10. 機械の連動作用がすぐに伝わらないで、多少のゆとりがあること。機械の結合部分がぴったり付いていないで、いくらか動く余地のあること。
    1. [初出の実例]「鍵をまわす音、ノブのあそび、ドアの蝶番のきしみ」(出典:無関係な死(1961)〈安部公房〉)
  11. 織機で、緯(よこいと)を通す梭(ひ)の道をつくるために、綜(あぜ)の中で経(たていと)をまとめる糸。かざり。かけいと。あぜいと。あやいと。
    1. [初出の実例]「綜(へ)〈略〉即今俗にもへといひ、又はアヤともアソビなどともいふなり」(出典:東雅(1717)九)

あすび【遊】

  1. 〘 名詞 〙 「あそび(遊)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「またくげの御あすびわ、つきのまゑのしいか」(出典:朝鮮板伊路波(1492))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「遊」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)
13画

(異体字)游
12画

[字音] ユウ(イウ)・ユ
[字訓] あそぶ・ゆく・まじわる

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(ゆう)。は氏族霊の宿る旗をおし建てて、外に出行することをいう字で、游・の初文。字はまた游に作る。〔説文〕にの字を収めず、游字条七上に「旌旗のなり」とし、重文としてを録する。〔詩、周南、漢広〕「に游女り 求むべからず」とは、漢水の女神が出遊することで、水神であるから水渡りをする。陸ならばということになる。遊ぶものは神霊であるから、その神事に携わり、特に喪祝のことに従うものを、わが国では「遊部(あそびべ)」といい、の初義において用いられている。すべて移動するものをといい、また逍遥して楽しむこと、自由な境涯をいう。

[訓義]
1. あそぶ、出行する。
2. ゆく、まじわる、他の地へゆく。
3. きままにする、ほしいままにする。
4. と通じ、はたあし。
5. 游と通じ、およぐ、うかぶ。

[古辞書の訓]
和名抄女 楊氏語抄に云ふ、行女兒、宇加禮女(うかれめ)。一に云ふ、阿曾比(あそび)。今案ずるに、夜發の名り、俗に也保知(やぼち)と云ふ。本未だ詳らかならず。但だ或いは(い)ふ、白晝行す、之れを女と謂ふ。夜を待ちて其のを發す。之れを夜發と謂ふなりと 〔名義抄 アソブ・ウカル・ミユ・タハブル・ヲトリ・メグル・スミヤカニ/ ヲトリ 〔立〕 キハム・ウカベル・ミユ・タハブル・アソブ・ウカル・メグル・ヲトル・ヲヨグ/游 ヲヨグ・ウカブ・アソブ

[語系]
・游jiuはもと一字。(道)・(導)duと声義近く、いずれも道路の呪儀に関する字。は氏族霊の宿る旗、は犠牲の首を以て道路を祓う儀礼であった。*語彙は游字条参照。

[熟語]
遊意・遊佚・遊逸・遊軼・遊雲・遊詠・遊泳・遊宴・遊園・遊衍・遊讌・遊化・遊舸・遊廓・遊客・遊学・遊閑・遊款・遊観・遊宦・遊観・遊眼・遊玩・遊気・遊記・遊嬉・遊騎・遊伎・遊戯・遊居・遊魚・遊魚・遊・遊・遊興・遊・遊禽・遊寓・遊君・遊軍・遊憩・遊芸・遊撃・遊娯・遊娯・遊光・遊好・遊幸・遊行・遊敖・遊傲・遊魂・遊策・遊散・遊子・遊志・遊糸・遊肆・遊・遊辞・遊事・遊辞・遊車・遊手・遊巡・遊処遊女・遊渉・遊賞・遊蹤・遊情・遊食・遊心・遊神・遊人・遊刃・遊塵・遊生・遊説・遊仙・遊旋・遊船・遊僧・遊息・遊惰・遊談・遊眺・遊鳥・遊艇・遊適・遊田・遊畋・遊徒・遊・遊伴・遊槃・遊・遊風・遊氛・遊兵・遊眄・遊歩・遊方・遊朋・遊訪・遊蜂・遊牧・遊民・遊霧・遊目・遊冶・遊優・遊予・遊予・遊揚・遊弋・遊楽・遊覧・遊履・遊里・遊旅・遊猟・遊輪・遊・遊霊・遊歴・遊浪・遊山
[下接語]
佚遊・遊・燕遊・臥遊・雅遊・回遊・会遊・外遊・宦遊・歓遊・観遊・貴遊・嬉遊・久遊・旧遊・群遊・遊・故遊・遊・交遊・好遊・行遊・敖遊・豪遊・山遊・舟遊・周遊・従遊・出遊・春遊・巡遊・心遊・水遊・西遊・清遊・仙遊・前遊・遊・天遊・東遊・同遊・盤遊・浮遊・歩遊・漫遊・慢遊・夢遊・冶遊・夜遊・優遊・来遊・歴遊

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「遊」の解説

あしび【遊】

沖縄泡盛蔵元の「瑞穂酒造」は嘉永元年(1848)創業。所在地は那覇市首里末吉町。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

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