野口荘(読み)ののぐちのしょう

改訂新版 世界大百科事典 「野口荘」の意味・わかりやすい解説

野口荘 (ののぐちのしょう)

丹波国船井郡(現,京都府南丹市園部町埴生付近か)にあった荘園。《和名抄》に野口郷がみえており,《長講堂領目六(録)》に〈一庁分,丹波国野口牧,年貢四百石,本三百石〉とみえるので,野口郷内の野口牧が白河院に寄進され長講堂領荘園になったものと思われる。年中課役について記した1191年(建久2)の長講堂所領注文によると,野口荘は正月元三料の御簾6間・砂10両・移花30枚,御八講・歳末の掃除および日吉社御幸・宮行啓の臨時人夫,毎月3日の廻御菜,5月4日の菖蒲と艾(よもぎ)を出すことになっていた。1340年(興国1・暦応3),この荘園は円満院宮尊悟親王に伝えられている。なお,1245年(寛元3)より,荘内上村の役として弘法大師毎日生身供料13果が,毎年東寺に出されるようになっている。応仁年中(1467-69)にも荘名は残り,荘内小川方(隆継朝臣跡)が庭田中納言重継領となっているのが知られる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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