菖蒲(読み)しょうぶ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

菖蒲
しょうぶ

埼玉県東部,久喜市西部の旧町域。元荒川沿いに位置する。1889年町制。1954年小林村,三箇村,栢間村の 3村および大山村の一部と合体。2010年久喜市,栗橋町,鷲宮町の 1市 2町と合体して久喜市となった。見沼代用水,元荒川に囲まれた沖積地にあたり,沼沢地の多い水田地帯でナシの栽培も行なわれる。中心地区の蒲は,江戸時代は 2と 7の日に市の立つ市場町で栄えたが,明治以降は交通幹線からはずれて発展は停滞した。1972年,東部に東北自動車道の開通を機として久喜菖蒲工業団地が造成された。

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デジタル大辞泉の解説

あやめ【菖蒲】

アヤメ科アヤメ属の多年草。日当たりのよい乾燥した草地に生える。高さ30~60センチ。葉は細長く剣状。初夏、花茎の先に、付け根に網目模様のある紫または白色の花を開く。多くの栽培品種がある。アヤメ属には、カキツバタシャガなども含まれる。古来、アヤメと呼んだショウブはサトイモ科。 夏》「片隅に―咲きたる門田かな/子規
ショウブの古名。
「五月(さつき)、―ふくころ」〈徒然・一九〉

しょう‐ぶ〔シヤウ‐〕【××蒲】

サトイモ科の多年草。池のそばに群生する。高さ約70センチ。地下茎は太く、赤みを帯びた白色。葉は剣状で中央脈が目立ち、厚く、香りがある。初夏、扁平で葉のような茎の中ほどに、淡黄色の多数の小花を円柱状につける。端午の節句に用い、また根茎は漢方で健胃薬にする。あやめ。あやめぐさ。 夏》「夜蛙の声となりゆく―かな/秋桜子
アヤメ科のハナショウブの別名。
(Shoubu)理化学研究所スーパーコンピューター。日本のペジーコンピューティング社とエクサスケーラー社が共同開発。メニーコアプロセッサーを搭載した超並列計算処理により、ペタフロップス級の計算速度を達成。基板全体を絶縁性の冷媒に浸す液浸冷却システムを採用する。

そう‐ぶ〔サウ‐〕【××蒲】

《「そう」は「しょう」の直音表記》「しょうぶ(菖蒲)」に同じ。
「―ふく家に時鳥(ほととぎす)鳴けり」〈落窪・三〉

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大辞林 第三版の解説

しょうぶ【菖蒲】

サトイモ科の常緑多年草。湿地に生える。葉は剣形で、長さ約70センチメートル。初夏、葉に似た花茎を立て、淡黄色の肉穂花序を単生する。花序には直立する葉状の苞がある。芳香があり、漢方で健胃薬に用いる。日本では古くから邪気を払うものとして、端午の節句に屋根に葺いたり、鬘かずらに挿したりした。花菖蒲は葉形が似るが、別科の植物。そうぶ。古名アヤメ・アヤメグサ。 [季] 夏。 《 -髪粋に見らるゝ年の頃 /高浜年尾 》
アヤメ科ハナショウブの俗名。
かさねの色目の名。表は青、裏は紅梅または白。4・5月着用。そうぶ。
植物セキショウの漢名。

そうぶ【菖蒲】

〔「しやうぶ」の直音表記〕
しょうぶ(菖蒲)」に同じ。 「 -の根、長き、など、ここなる若き人さわげば/蜻蛉

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

菖蒲
しょうぶ

埼玉県北東部、南埼玉郡にあった旧町名(菖蒲町(まち))。現在は久喜市(くきし)の西部を占める地域。1889年(明治22)町制施行。1954年(昭和29)小林(おばやし)、三箇(さんが)、栢間(かやま)の3村と大山(おおやま)村の一部が合併。2010年(平成22)、北葛飾(きたかつしか)郡栗橋町(くりはしまち)、鷲宮町(わしみやまち)とともに久喜市に合併。備前堀(びぜんぼり)川と元荒川の間にある沖積低地からなる。国道122号が通じる。中央部には星(ほし)川が流れ、この自然堤防上に菖蒲の街が存在する。近世の菖蒲は市場町として栄え、2と7の日には市(いち)が立ち、米を中心とした売買が行われ、また木綿、紅花の特産品もあった。1728年(享保13)井沢弥惣兵衛(やそべえ)は、おもに星川の水路を利用した見沼代用水(みぬまだいようすい)を開き耕地を開発した。近年はナシ、イチゴなどの園芸作物の生産が多い。また、久喜菖蒲工業団地による工業生産高が多い。ボート遊びや釣りによい久喜菖蒲公園、樹齢300年のフジ(県指定天然記念物)がある菖蒲神社、菖蒲城趾(し)のある「あやめ園」などがある。[中山正民]
『『菖蒲町の歴史ガイド』(1986・菖蒲町)』

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

菖蒲 (アヤメ・アヤメグサ)

学名:Iris sanguinea var.sanguinea
植物。アヤメ科の多年草

菖蒲 (ショウブ・ソウブ)

学名:Acorus calamus
植物。サトイモ科の抽水性多年草,園芸植物,薬用植物

菖蒲 (ショウブ)

植物。花菖蒲の別称

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精選版 日本国語大辞典の解説

あやめ【菖蒲】

〘名〙
① アヤメ科の多年草。山野に自生するほか、観賞用として、庭、池辺などに栽培される。高さ三〇~六〇センチメートル。葉は剣の形で、基部は淡紅色をおび、さや状。初夏、紫や白などの花が咲く。外花被は花弁状で垂れ下がり、基部に黄と紫の虎斑(とらふ)模様がある。内花被は細く直立する。漢名、菖蒲、渓蓀は誤用。古名(白菖と区別する必要があったため)はなあやめ。《季・夏》
※花譜(1698)中「菖蒲花(はなあやめ)〈略〉古歌に、あやめとよめるは、沢におふる菖蒲とて、端午に家をふく物をいふ。此あやめにはあらず」
② サトイモ科のショウブの古名。初夏に、黄色の細花が密集した太い穂を出す。葉は剣の形で、香気が強いので邪気を払うとされ、五月五日の節句には、魔除けとして軒や車にさし、後世は、酒にひたしたり、湯に入れたり、種々の儀に用いられる。菖蒲の枕、菖蒲の湯、菖蒲刀の類。一方、根は白く、長いものは四、五尺に及ぶので、長命を願うしるしとする。また、根合わせといって、その長さを競う遊びもある。歌では「根」を「音」にかけ、「鳴く」「泣く」などの語を導いたり、物の文目(あやめ)に言いかけたりして詠まれることが多い。あやめぐさ。
蜻蛉(974頃)中「『おはしまさずとも、しゃうぶふかでは、ゆゆしからんを、いかがせんずる』といひたり。〈略〉世の中にある我が身かはわびぬればさらにあやめもしられざりけり」
③ 襲(かさね)の色目の名。表は青、裏は紅梅(桃華蘂葉)。一説、表は白(西三条装束抄)。女房の五つ衣には、上に二つ青の濃淡、次に白、次の二つ紅梅の濃淡で、下に単(ひとえ)の白生絹(しろすずし)をつける(雅亮装束抄)。陰暦五月に用いる(女官飾抄)。
④ 香木の名。分類は羅国(らこく)。香味は苦辛甘。六十一種名香の一つ。
※新札往来(1367)上「新渡之名香。〈略〉神楽、新無名、蓬・菖蒲、林鐘」
⑤ 五月の異称。
※仮名草子・尤双紙(1632)上「あをき物のしなじな〈略〉あやめにいはふかざり粽(ぢまき)
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前「商人諸声『あやめあやめ』『金時、湯出大角豆』」
花ガルタの札の名。アヤメの花を描いたもの。五月に配する。一〇点、五点札、各一枚、滓札(かすふだ)二枚。

しょう‐ぶ シャウ‥【菖蒲】

〘名〙
① サトイモ科の多年草。各地の池や川のふちに群生する。全体に一種の香気があり、地下茎は白または淡赤色で節が多い。葉は群がって直立し剣伏線形で長さ五〇~九〇センチメートル。初夏、葉間から長さ二五~四〇センチメートルの花茎を立て先端に淡黄色の小花の密集した長さ約五センチメートルの円柱形の花穂をつける。花序の基部に長い苞葉がある。邪気を払い疫病を除くということから端午の節供に菖蒲湯の風習がある。香水をつくり根は健胃薬に用いる。アヤメ科のハナショウブをショウブと称することもある。漢名は白菖で、菖蒲は本来はセキショウの名。おにぜきしょう。あやめ。あやめぐさ。《季・夏》
※新撰万葉(893‐913)上「菖蒲一種満洲中、五月尤繁魚鼈通」
※蜻蛉(974頃)中「しゃうぶふかではゆゆしからんを」 〔古楽府‐烏夜啼〕
※有明の別(12C後)三「みすのうちこぼれいでたる袖ぐちども、をりにあいたるなでしこのはな・たちばな・しゃうぶ」
※俳諧・鶉衣(1727‐79)後「さりとて又貴顕の門松をくぐり、桃に菖蒲に袖ふりはへて、ここの嫁入かしこの法事にもつらならんは」
④ 花札で五月を表わす札。一〇点札が一枚、五点札が一枚、一点札が二枚ある。

そう‐ぶ サウ‥【菖蒲】

〘名〙 (「さう」は「しゃう」の直音表記)
※蜻蛉(974頃)下「さうぶの根、ながきなど、ここなるわかき人さわげば」
※俳諧・曠野(1689)七「さうぶ入湯をもらひけり一盤(たらひ)〈荷兮〉」
※栄花(1028‐92頃)殿上の花見「撫子の織物の単襲(ひとへがさね)、さうぶの小褂奉りたる、華々と盛に桜の咲きこぼれたる心地して」

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世界大百科事典内の菖蒲の言及

【ショウブ】より

…東アジアの亜熱帯から暖温帯に分布し,斑入り(ふいり)品種や小型のアリスガワゼキショウは観賞用に栽培され,またショウブと同様に薬用とされる。ショウブに菖蒲の字をあてるが,これは中国ではセキショウをさす。【堀田 満】
[民俗]
 古くは〈あやめ〉〈あやめぐさ〉と呼ばれ,これに菖蒲の字をあてたことから,のちに〈しょうぶ〉と呼ばれるようになった。…

【ショウブ】より

…東アジアの亜熱帯から暖温帯に分布し,斑入り(ふいり)品種や小型のアリスガワゼキショウは観賞用に栽培され,またショウブと同様に薬用とされる。ショウブに菖蒲の字をあてるが,これは中国ではセキショウをさす。【堀田 満】
[民俗]
 古くは〈あやめ〉〈あやめぐさ〉と呼ばれ,これに菖蒲の字をあてたことから,のちに〈しょうぶ〉と呼ばれるようになった。…

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