野口牧(読み)ののくちのまき

日本歴史地名大系 「野口牧」の解説

野口牧
ののくちのまき

のちの長講ちようこう(跡地は現京都市下京区)領野口庄の前身と考えられるが所在地は確定できない。室町時代の様子を描くとされる丹波国吉富庄絵図(真継梶之助家蔵)には、大堰おおい川の右岸木原きわら(現八木町)が記され、山を隔てて南方に「野口牧」とみえる。なお、木原村には「野口牧寄人并召次種吉住」と注される。おそらく丹波野口駅(延喜式)付近に広がっていたものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の野口牧の言及

【野口荘】より

…丹波国船井郡(現,京都府船井郡園部町埴生付近か)にあった荘園。《和名抄》に野口郷がみえており,《長講堂領目六(録)》に〈一庁分,丹波国野口牧,年貢四百石,本三百石〉とみえるので,野口郷内の野口牧が白河院に寄進され長講堂領荘園になったものと思われる。年中課役について記した1191年(建久2)の長講堂所領注文によると,野口荘は正月元三料の御簾6間・砂10両・移花30枚,御八講・歳末の掃除および日吉社御幸・宮行啓の臨時人夫,毎月3日の廻御菜,5月4日の菖蒲と艾(よもぎ)を出すことになっていた。…

※「野口牧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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