野呂松勘兵衛(読み)のろま・かんべえ

朝日日本歴史人物事典 「野呂松勘兵衛」の解説

野呂松勘兵衛

生年生没年不詳
江戸前期,人形浄瑠璃道化人形の遣い手。延宝ごろ(1670年代)上方では「そろま」,江戸では「のろま」と呼ばれた道化人形の上演記録が確認されているが,この野呂松勘兵衛も江戸の和泉太夫座や土佐座という人形座に出演していた道化人形遣いのひとりであろう。『近代世事談』(1733)では「野郎松勘兵衛」という者をのろま人形の創始者としているが,資料的には貞享ごろ(1680年代)の人形遣い「のろま治兵衛」によってのろま人形が有名になったといわれている。<参考文献>信多純一・斎藤清二郎『のろまそろま狂言集成』

(法月敏彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「野呂松勘兵衛」の解説

野呂松勘兵衛 のろまつ-かんべえ

?-? 江戸時代前期の人形遣い。
寛文-延宝(1661-81)ごろの人。江戸和泉(いずみ)太夫座で,頭がひらたく顔が青黒いのろま人形をつかって,こっけいな狂言を演じ評判になったという。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の野呂松勘兵衛の言及

【のろま(野呂間)】より

…ふんとく,才六,たろま等々が作られたが,江戸ののろまがいちばん著名である。野呂松勘兵衛が創始したといわれる人形で,頭がひらたく色の青黒い人形であった。ほかにのろま治兵衛,のろま九兵衛などの遣い手もいた。…

※「野呂松勘兵衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android