朝日日本歴史人物事典 「野呂松勘兵衛」の解説
野呂松勘兵衛
江戸前期,人形浄瑠璃の道化人形の遣い手。延宝ごろ(1670年代)上方では「そろま」,江戸では「のろま」と呼ばれた道化人形の上演記録が確認されているが,この野呂松勘兵衛も江戸の和泉太夫座や土佐座という人形座に出演していた道化人形遣いのひとりであろう。『近代世事談』(1733)では「野郎松勘兵衛」という者をのろま人形の創始者としているが,資料的には貞享ごろ(1680年代)の人形遣い「のろま治兵衛」によってのろま人形が有名になったといわれている。<参考文献>信多純一・斎藤清二郎『のろまそろま狂言集成』
(法月敏彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報