鉄染色

内科学 第10版 「鉄染色」の解説

鉄染色(特殊染色)

(3)鉄染色
 血球や組織中に存在する非ヘモグロビン鉄を濃青色顆粒として検出する.網内系の貯蔵鉄も染め出すことから,鉄欠乏や鉄過剰状態を推察できる.少数の鉄顆粒のある赤芽球を鉄芽球または担鉄赤芽球(sideroblast)とよび正常でもみられるが,ヘム合成障害をきたすと余剰の鉄顆粒が核近傍のミトコンドリア内に蓄積して,鉄染色陽性顆粒が核周囲に分布した環状鉄芽球(ring sideroblast)として認識される.従来からの定義は5個以上の鉄顆粒が核周囲の1/3以上にわたって配列するとされている.環状鉄芽球は先天性鉄芽球性貧血,鉛中毒や抗結核薬など薬物の影響のほか,MDSの一病型であるrefractory anemia with ring sideroblasts(RARS)の特徴的所見でもある.[通山 薫]
■文献
日本検査血液学会編:スタンダード検査血液学,医歯薬出版,東京,2003.Swerdlow SH, Campo E, et al: WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues, IARC Press, Lyon, 2008.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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