鉦の緒(読み)かねのお

精選版 日本国語大辞典 「鉦の緒」の意味・読み・例文・類語

かね【鉦】 の 緒(お)

  1. 神社拝殿にある鈴や鰐口(わにぐち)などにつけてある緒綱、または綱状の布。これを振って上の鈴や鰐口を鳴らす。
    1. [初出の実例]「もし此の風のたよりを不便におぼしめされ、御返事ましまさば、かんざきに聞こえたる、しゃかだうの鐘のをに結びてたべ」(出典:幸若・築島(室町末‐近世初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の鉦の緒の言及

【鰐口】より

鉦鼓(しようこ)を二つ張り合わせた丸い〈もなかの皮〉のような形で,中央に撞座(つきざ)を設け,上方につり下げるための耳を両方に設け,下の半周分程度が大きく一文字状に開いている(図)。その大きな口から鰐口と称したらしく,本堂や拝殿の長押(なげし)や梁(はり)にかけ,前につり下げた紐(鉦の緒という)で打ち鳴らす。各寺社に遺品が多く,最古の銘を有するのは長保3年(1001)銘,東京国立博物館蔵のものといわれる。…

※「鉦の緒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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