鑑真和上像(読み)がんじんわじょうぞう

旺文社日本史事典 三訂版 「鑑真和上像」の解説

鑑真和上像
がんじんわじょうぞう

天平時代の代表的乾漆像
唐僧鑑真の肖像彫刻で,唐招提寺御影堂にある。6月6日の開山忌開扉。鑑真死去(763)の直前に製作された可能性があり,わが国に現存する最古肖像

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鑑真和上像の言及

【唐招提寺】より

…奈良市五条町にある律宗の総本山。古くは唐律招提寺ともいわれ,単に招提寺ともいう。唐僧鑑真の開基にかかり,今日,金堂,講堂,鐘楼,鼓楼,東室,経蔵,宝蔵,閼伽井(あかい)(醍醐井)などの伽藍が白砂青松の中に規矩整然とのこり,奈良時代寺院の面影を今に伝える唯一の寺である。12年の歳月と6回目の渡航によって伝戒の初志を貫徹しようとした鑑真とその随伴の諸僧は,東大寺唐禅院に留住していたが,758年(天平宝字2)僧綱の任より解放された鑑真は,平城右京5条2坊にあった新田部親王の旧宅の地を拝領し,757年に賜った備前国の水田100町を財源として当寺を創建した。…

【奈良時代美術】より


[肖像彫刻と伎楽面]
 仏像の細部にまで写実の眼を深化させた天平彫刻の必然的な動向として,僧侶の肖像彫刻が製作されるようになる。763年(天平宝字7)に写された影像により造られたとする鑑真和上像や,767年(神護景雲1)ころに造られたと思われる夢殿の行信僧都像があるが,鑑真像が瞑目し定印を結ぶ静けさに対して,行信像は目をつり上げ唇を厳しく結び,ずっしりとした体軀の精悍さを,乾漆の特性を生かしてよく写し出している。この時代の伎楽面や獅子頭は,東大寺および正倉院に伝来し,752年(天平勝宝4)の大仏開眼会に用いられたものが中心で,そのほか法隆寺や東京国立博物館(法隆寺宝物館)に存する。…

※「鑑真和上像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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