閉鎖孔ヘルニア

内科学 第10版 「閉鎖孔ヘルニア」の解説

閉鎖孔ヘルニア(その他,腹膜疾患)

(4)閉鎖孔ヘルニア(obturator hernia)
 閉鎖管を通じて下部回腸が大腿内側に脱出するもの.嵌頓を生じやすく急なイレウス症状で救急受診することも多い.まれな疾患だが大半は高齢のやせ型の女性で,男性にはほとんどない.閉鎖孔ヘルニアは視診ではわからないことが多く,太ももの内側から膝に走る痛み(閉鎖神経圧迫症状,Howship-Romberg徴候)が特徴.片側性のことが多いが両側のこともある.診断にはCTが有用だが,鼠径部以下まで撮影する必要があることに注意.治療としては,まずは下肢の屈伸運動を行ってみる.それだけで還納されることも多い.還納されない場合や腹膜炎になっている場合,反復性の場合は手術が必要になる.[藤沢聡郎・松橋信行]
■文献
Debrock G, Vanhentenrijk V, et al: A phase II trial with rosiglitazone in liposarcoma patients. Br J Cancer, 89: 1409-1412, 2003.
Saab S, Hernandez JC, et al: Oral antibiotic prophylaxis reduces spontaneous bacterial peritonitis occurrence and improves short-term survival in cirrhosis: a meta-analysis. Am J Gastroenterol, 104: 993, 2009.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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