電子エネルギー選別器(読み)デンシエネルギーセンベツキ

化学辞典 第2版 「電子エネルギー選別器」の解説

電子エネルギー選別器
デンシエネルギーセンベツキ
electron energy selector

電子衝撃を使用する研究において,衝撃電子のエネルギー幅を狭くするため,または,光電子分光などで発生した電子のエネルギー分布を分解能よく測定するための装置.上記の目的で,
(1)追返し電場を使用する方法,
(2)ウィーン濾過器(Wien filter)を使用する方法,
(3)弱い扇形磁場を使用して速度収束を行う方法,
などがあるが,平行板,円筒形,または半球形の静電場を使用するものが多い.円筒電場を使用するものの電子軌道曲率角度は127°を用いる.図に示した装置は単一エネルギー電子発生用の装置で,半球面コンデンサー2個を組み合わせエネルギー分解能も高く,電子損失が少ない.分解能は0.06 eV(9.6×10-21 J)以下である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android