青唐(読み)せいとう(その他表記)Qīng táng

改訂新版 世界大百科事典 「青唐」の意味・わかりやすい解説

青唐 (せいとう)
Qīng táng

宋代の中国で現在の青海省西寧を指した名。鄯州ぜんしゆう)ともいった。当時,オルドス南部より以西,黄河上流域にかけてチベット系の諸部族が散在し,宋ではこれらを吐蕃と総称した。宋,西夏,遼の対立抗争に刺激をうけた吐蕃では統一運動がおこり,青唐方面のチベット族(青堂羌(せいどうきよう)ともいった)の領袖らは,西部のおそらくマルユルと思われる地方から吐蕃王朝の末裔である唃厮囉(こくしら)を迎えて基礎固めを行った。西夏の興起により,オルドス-河西ルート-中央アジアという交通路の使用が困難となったので,青海省方面を通ずる中央アジアへの交通が盛んとなり,ために青唐方面は東西交通,貿易の要衝として栄えた。しかし,唃厮囉の死後,彼の子孫は各地に割拠して吐蕃の統一は乱れ,これに乗じた宋の招撫征伐が行われ,1099年(元符2)にひき続いて,1104年(崇寧3),青唐の地はまたも宋軍に占拠されたが,その経営は宋の南渡により崩壊したらしい。
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世界大百科事典(旧版)内の青唐の言及

【チベット】より

…その地で西夏に対抗する軍事力の組織化が要請されたとき,チベット人に対する結束の中核として,ラトゥーにのがれていた吐蕃王の末裔ティデが招かれた。彼は唃厮囉(こくしら)(菩薩の意味)と呼ばれていたが,やがてみずから王となって青唐王国を興し,国中に仏寺を建てて往年の吐蕃王国を小型に再現した。
[仏教教団の興隆]
 同じころ,西方のガリでも吐蕃王の子孫たちが勢力を回復して,インドから優れた僧を招き,若者をかの地に留学させて仏教を再興した。…

※「青唐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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