飛鳥庄(読み)あすかのしよう

日本歴史地名大系 「飛鳥庄」の解説

飛鳥庄
あすかのしよう

石川の支流飛鳥川の中流域に位置し、現飛鳥付近にあたる。鎌倉前期、遅くとも仁治元年(一二四〇)七月以前と推定される沙弥西印田畠所職等充文(金剛寺文書)に「飛鳥庄領重末屋敷壱段」とみえる。庄名は古代の「飛鳥評」(現柏原市の高井田廃寺跡出土瓦文字)安宿あすかべ(和名抄)に由来すると思われる。弘安四年(一二八一)五月二六日の西琳さいりん寺に宛てた太政官牒(西琳寺文書)に、「応停止四至内殺生事」として記す四至のうちに「東限飛鳥庄」とみえ、「依為太子御廟、四至内下官符、被止殺生」とある。同牒に引く西琳寺氏人らの解状には、「寺辺二里之殺生者、聖王累代之禁遏哉」とあるので、西琳寺の東方二里の辺りにあったとも考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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