食出(読み)はみだす

精選版 日本国語大辞典 「食出」の意味・読み・例文・類語

はみ‐だ・す【食出】

〘自サ五(四)〙
① 中にきちんとおさまらずに、外部へふくれ出る。すきまから外へあふれ出る。一定範囲から一部が外へ出る。また、一定の規範に適合せず、そこからはずれる。はみでる。
※雑俳・末摘花(1776‐1801)初「御いんきよはめかけのせきにはみ出され」
魔風恋風(1903)〈小杉天外〉前「中から古新聞溢出(ハミダ)してゐる」
② 食べ始める。食いだす。

はみ‐だし【食出】

〘名〙
① はみだすこと。はみだしていること。また、そのもの。
※現実拒否の文学(1956)〈大井広介〉二「不可能な地点までマキシマムに行動させ、遭遇する破局設定で、そのはみだしを制裁する無慈悲な社会秩序
仮名草子・元の木阿彌(1680)上「金つばのはみ出しに後藤が打ったる金目貫

はみ‐・でる【食出】

〘自ダ下一〙 =はみだす(食出)
洒落本・温海土産(1857)「上着棚尻のはみ出る程、ゐと高く」
方丈記私記(1970‐71)〈堀田善衛〉五「鴨長明は、その社会的存在自体が不条理、かつはみ出た人、であった」

くい‐いだ・す くひ‥【食出】

〘他サ四〙 歯をくいしばってむきだす。かみいだす。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「眼(まなこ)を車の輪のごとく見くるべかして、歯を剣のごとく、くひいだして怒る」

くい‐で くひ‥【食出】

〘名〙 確かに食べたと思うほどの分量。食いごたえ。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)二「ふといそばだ。くひでがあっていいわへ」

たべ‐で【食出】

〘名〙 十分に食べたと満足できるだけの量。食べごたえ。くいで。「味はよいが食べでがない」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「食出」の意味・読み・例文・類語

くい‐で〔くひ‐〕【食(い)出】

十分食べたと思うほどの食べ物の量。食べごたえ。「値段の割に食い出のある料理」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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