社会秩序(読み)しゃかいちつじょ(英語表記)social order

翻訳|social order

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

社会秩序
しゃかいちつじょ
social order

社会総体において社会過程が一定の明確な調和的均衡をもっている状態のこと。社会秩序が成立するためには,社会の中核である結合的な統合の確立が前提とされている。したがって,こうした秩序の成立には,一面において社会の成員の間に秩序を要求する自発的意志が必要である。このように成員の間で自発的,自然的に生じる秩序を自然的秩序と呼ぶ。しかし,社会の秩序が自発性,自然性のみによって,いわば慣習的に成立するのはまれであって,一方でなんらかの強制が作用している。この意味において,社会秩序は自発性,自然性と強制との間で成立しているといってよい。社会秩序が必然的に強制の要素を含むところから,これをもって社会の特性とみなす考え方がある。 É.デュルケムが社会威圧をもって,社会秩序の特性とみなしたことは有名である。

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デジタル大辞泉の解説

しゃかい‐ちつじょ〔シヤクワイ‐〕【社会秩序】

社会生活が混乱なく営まれている状態。また、そのために必要な社会の制度や仕組み。

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃかいちつじょ【社会秩序 social order】

客観的には,変化する環境の下で社会そのものが存続しており,主観的には,社会成員たちの生活上の欲求が充足されている状態を,広い意味で社会秩序と呼ぶことができる。もし社会成員たちの行動相互作用がでたらめで混乱しているならば,社会そのものの存続は不可能であり,また欲求充足も妨げられるだろうから,行動や相互作用がパターン化されて規則性をもつことが必要である。要するに,行動や相互作用が構造化されていなければならないのである。

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大辞林 第三版の解説

しゃかいちつじょ【社会秩序】

社会が一定の調和を保っている状態。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社会秩序
しゃかいちつじょ
social order

社会生活がある規則性をもってパターン化されていて、それを通じて個々人の欲求が充足され、かつ社会全体が存続することができる場合、そこに社会秩序が成り立っている。個人の欲求充足と社会の存続という二つの基本的要請が同時に実現されるには、人々の行為がなんらかのパターン、すなわち構造によって制御されていなければならない。そのような構造を組み立てている要素としては、第一に、価値および規範の体系があって、正当で望ましい行為を選ぶ基準とルールを指示している。第二に、集団と役割があって、人々が配分された資源を使用して他者と関係しつつ実効性のある行為をするように指示している。こうして社会生活は制御されて秩序づけられる。したがって社会秩序とは、第一に、人々がその社会の価値および規範の体系を正当なものとして受容している状態であり、第二に、資源配分が妥当であって、集団のなかでの役割を人々が実効性をもって遂行している状態である。このような意味での正当性と実効性を保証する構造があって、それによって個人の欲求充足と社会の存続とが実現されている状態こそ、社会秩序である。
 しかし、これは社会秩序の理念型であり、現実は、程度の差はあれ無秩序(あるいはアノミー)を含んでいる。社会は秩序と無秩序の間を動揺する。しばしば法と秩序という名の下に強権が発動される場合がある。しかし、それは強制された秩序である。[塩原 勉]

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