食糞

栄養・生化学辞典 「食糞」の解説

食糞

 食糞性ともいう.自らの排泄する糞を食する性質.ラット,ウサギなどは,この性質のために糞に含まれるB群ビタミンが補給される.B群ビタミンの欠乏症を実験的に起こさせるためには,食糞を防ぐ方法を講じるか,抗生物質などを利用して,腸内細菌増殖を防がなければならない.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の食糞の言及

【ウサギ(兎)】より

…ウサギを抱くときには肩の部分を大きくつかんで持ち上げ,耳でぶら下げるようなことをしてはならない。カイウサギにも他のウサギ目のウサギと同様食糞という習性があり,排泄した自分の糞のうち粘膜で覆われた被膜糞を肛門に口をつけて再食する。この糞にはビタミンB12が多量に含まれていてウサギの健康維持に不可欠のものである。…

【共生栄養】より

…ウサギは肛門から出るこの糞を食べる。この行動を食糞coprophagyという。食べられた糞は胃底部にとどまって,ひきつづき発酵し,乳酸などの生成物が栄養として利用される。…

【フェティシズム】より

…たとえば毛皮をまとっていない女性とは性交が不能であるとか,フェティッシュ入手のために下着泥棒や毛髪切りなどの犯罪に駆り立てられる場合がこれにあたる。他の形態の性倒錯との関係では,足フェティシズムではマゾヒズム,愛人の性器を切り取って持ち歩いたり,食べたりするケースではサディズムやカニバリズム,異性の排泄物に対する愛好であるスカトロジー(その極端な場合が尿飲urolagniaや食糞coprophagy)などとの合併がしばしば観察される。フェティシズムでは,現実の感覚的快感よりも,想像力による官能的満足の追求が大きな役割を演じている。…

【糞】より

…なお,混濁,渾濁(こんだく)と同義にも用いられる溷濁は,元来は糞尿のような汚濁をいう。 糞便およびそのイメージを愛好したり,はなはだしきは好んで食べる人(これを食糞coprophagiaという)がおり,スカトロジー(糞便学)や精神医学の対象となる。アフリカのバクツ族のように,女性が家畜の糞や粘土を油で練って全身に塗り,臭気ただよう陰部を男性に見せて求愛し,男がこれに性欲をそそられるというのは性風俗の際だった違いと映るが,もともと哺乳動物の性器は肛門の近くにあって,性器のにおいと糞便のにおいは混じり合うから,人間の糞便愛好もあながち異常と断じきれない。…

※「食糞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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