増殖(読み)ぞうしょく(英語表記)proliferation

  • 増殖 breeding
  • 増殖 propagation

翻訳|proliferation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

細胞が分裂して同質のものがふえることをいう。個体数のふえるのは通常,生殖 reproductionとして区別する。また多細胞生物の体内で細胞がふえていくことや,また細胞内で細胞質が新生していく場合には成長 growthとして区別するが,細胞がふえるという点からみると,多細胞生物の発生期で分化が起らない時期には,増殖といっても同じである。細胞が増殖して,ある時期に達すると形質が変化していく (分化) ように,制御されているのが常である。また細胞が独立して生活している場合でも,増殖は無限に続くことはなく,自然環境のなかで一定の平衡状態を保っている場合が多い。

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栄養・生化学辞典の解説

 諸種意味に使われる.(1) 過形成ともいう.細胞や細胞間の組織の量が,過剰に形成されること,(2) 分裂して細胞などのが増えること,(3) 細胞や個体の数が増えること,などをいう.

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世界大百科事典 第2版の解説

水産増殖ともいう。水産生物の繁殖と成長を助長しようとする人間の試みであるが,養殖を含む広い意味で使われる場合と,養殖を除外した狭い意味で使われる場合とがある。ここでは後者について述べるが,この場合は公共水面において漁業資源の維持増大を目的として行われるもので,漁業管理,環境改善,移殖・放流の三つを柱とする。そして,自然の生産力に多くを依存し,生産物は漁業によって収穫され,それまでは所有者が決まっていない点などに養殖との相違がみられる。
原子炉における転換で転換率が1を超えるのを増殖という。増殖の起きている原子炉の中では核分裂性物質が燃焼とともに増えていく。増殖の起こる原子炉を増殖炉といい,その転換率を増殖率という。【近藤 駿介】

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① ふえること。また、ふやすこと。
※日本風俗備考(1833)五「其花は三重瓣四重瓣にして、其大木に増殖し」
※福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉六五「天下の財を身辺に集め〈略〉之を活用していよいよますます増殖(ゾウショク)を謀り」 〔徐陵‐広州刺史欧陽徳政碑〕
② 生物学で、細胞、組織、個体などあらゆる段階で生ずる量的増加の総称。繁殖と同義に用いることもある。
※林檎の下の顔(1971‐73)〈真継伸彦〉一「生存と増殖とを最も単純におこなうアミーバも」

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世界大百科事典内の増殖の言及

【繁殖】より

…生物が後継ぎを残して種族を維持すること。日本語でも英語でも〈生殖reproduction〉や〈増殖multiplication(またはproliferation,propagation)〉との区別があいまいで,しばしば混用されるが,概念上の整理が必要であろう。種族が維持されるためには,一つの世代が次の世代を,次の世代はさらに次の世代を生じなければならない。…

【生殖】より

…生物が自分と同じもしくは共通する遺伝子組成をもつ個体を新たにつくること。繁殖という語は家畜学などの分野で,また増殖という語は水産学の分野で,ほぼ同じ意味に使われている。
[植物の生殖]
 植物の生殖は,体の一部または無性の生殖細胞である胞子から新しい個体ができる無性生殖と,性的に異なる2種の配偶子が合体する有性生殖の二つに大別される。…

【繁殖】より

…生物が後継ぎを残して種族を維持すること。日本語でも英語でも〈生殖reproduction〉や〈増殖multiplication(またはproliferation,propagation)〉との区別があいまいで,しばしば混用されるが,概念上の整理が必要であろう。種族が維持されるためには,一つの世代が次の世代を,次の世代はさらに次の世代を生じなければならない。…

※「増殖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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