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飲む育毛剤 のむいくもうざい

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知恵蔵の解説

飲む育毛剤

日本人の男性で薄毛を認識している人は1000万人を超え、薄毛を気にしている人を含めると2000万人に達するとのデータがある。脱毛に至る原因はさまざまだが、こうした「男性型脱毛症(AGA)」に対する新しい治療薬として効果を上げつつあるのが、飲む脱毛治療薬「フィナステリド」である。 現在、主流である頭皮につけるタイプの代表的な治療薬(医薬品)としては、塩化カルプロニウムミノキシジルがあり、薬局等で簡便に購入が可能であるが、飲む脱毛治療薬の方は、医師の診断を受け、処方される。 フィナステリドはAGAの発生メカニズムにかかわる作用を医療品として発揮するのが特徴。男性型脱毛では代表的な男性ホルモンであるテストステロンが、睾丸で作られて、血液によって頭髪部まで運ばれる。そして毛根部分に存在する酵素によって、ジヒドロテストステロンという活性化されたホルモンに転換される。このジヒドロテストステロンに脱毛を促進する作用があることが明らかになっている。 フィナステリドは、このテストステロンがジヒドロテストステロンに変化しないよう、転換にかかわる酵素の働きを20%抑える効果がある。先発して服用が解禁された米国では、1mgを5年間服用後、90%の患者で脱毛の進行を抑える効果あるいは改善効果が認められている。 フィナステリドは、「プロペシア」の名称で米国の医療品メーカーメルク社が商品化し、60カ国以上で使用されている。日本では万有製薬が販売しており、医療機関を通じ処方されている。副作用もほとんどないことから、安心して経口できる脱毛治療剤として浸透しつつあるが、保険適用外のため、費用負担がネックとの声も聞かれる。

(森岡英樹 金融ジャーナリスト パラゲイト・コンサルタンツシニア・リサーチ・アソシエイツ / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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