医薬品(読み)いやくひん

精選版 日本国語大辞典 「医薬品」の意味・読み・例文・類語

いやく‐ひん【医薬品】

〘名〙 病気治療に用いる薬品医薬。〔薬事法(1960)〕

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デジタル大辞泉 「医薬品」の意味・読み・例文・類語

いやく‐ひん【医薬品】

病気の診断、治療、予防に用いる薬。薬機法で、開発生産・使用について規制されている薬。医療用医薬品一般用医薬品とがある。→医薬部外品

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「医薬品」の意味・わかりやすい解説

医薬品
いやくひん

医療に用いる薬品をいう。医薬品医療機器等法(旧、薬事法。昭和35年法律145号)の定義によると
(1)日本薬局方に収められているもの
(2)人または動物疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされているものであって、機械器具、歯科材料、医療用品および衛生用品、プログラムおよびこれを記録した記録媒体でないもの(医薬部外品および再生医療等製品を除く)
(3)人または動物の身体構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされているものであって、機械器具等ではないもの(医薬部外品、化粧品および再生医療等製品を除く)
をさしている。なお医薬部外品とは、
(1)吐き気その他の不快感または口臭もしくは体臭の防止
(2)あせも、ただれなどの防止
(3)脱毛の防止、育毛または除毛
(4)人または動物の保健のためにするネズミハエ、カ、ノミなどの防除
の目的に使用されるもののうち、人体に対する作用が緩和なもので、機械器具でないもの、およびこれらに準ずるもので厚生労働大臣の指定するものをいう。

 医薬品には、医師や歯科医師によって使用されるか、またはこれらの者の処方箋(しょほうせん)、もしくは指示によって使用される医療用医薬品と、医師や歯科医師の処方箋なしで、薬局や薬店、通信販売、インターネットで直接購入できる一般用医薬品(大衆薬)、薬局・薬店で薬剤師の指導を受けて購入する要指導医薬品とがある。一般用医薬品は、医薬品医療機器等法により第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品に区分されている。第一類医薬品は薬剤師、第二類医薬品および第三類医薬品は薬剤師または登録販売者が販売に従事する。

[幸保文治]

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世界大百科事典 第2版 「医薬品」の意味・わかりやすい解説

いやくひん【医薬品 drugs】

医療の用に供される薬品を医薬品とよぶ。一般に医薬品とはどのような性格をそなえているかをまず考えてみることにする。
【医薬品とは】
 医薬品は,純粋な化合物であれ,あるいは草根木皮のエキス等であれ,まず第1に〈物質〉である。すなわち,物理的,化学的にその性質を規定することができる物質である。たとえば一定の融点あるいは沸点,一定の溶解度,特有の旋光度等々物理化学的恒数をもつ化合物であるか,あるいはこれらの化合物の含有量を定められた混合物である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「医薬品」の意味・わかりやすい解説

医薬品
いやくひん
drugs

医療用に供される薬品。薬事法によって次のように規定されている。 (1) 日本薬局法の医薬品各条に規定のもの,(2) ヒトまたは動物の疾病の診断,治療または予防に使用することが目的とされているもので,器具器械でないもの,(3) ヒトまたは動物の身体の構造,機能に影響を及ぼすことが目的とされているものであって,器具器械,医薬部外品,化粧品でないもの。薬事法では医薬部外品,化粧品については別途に規定し,医薬品と区別している。

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栄養・生化学辞典 「医薬品」の解説

医薬品

 ヒトや動物の疾病の治療に用いられる薬品.

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世界大百科事典内の医薬品の言及

【薬】より

…一般にわれわれが〈くすり〉という言葉を口にしたり耳にしたりした場合,まず頭に思い浮かべるものは医薬品であろう。しかし,〈薬〉と同義である〈薬品〉という文字をみた場合,もちろん〈医薬品〉は頭に浮かぶが,それと同時に〈化学薬品〉を思い浮かべる。 化学薬品は,酸類,塩基類をはじめとする基礎化学工業製品,石炭タール成分,石油成分,あるいはそれらの分解産物,重合体など近代化学工業製品群を含んでおり,現代文明を支える化学工業製品の原料から最終製品にいたるさまざまなものが含まれている。…

【生薬】より

…植物,動物および鉱物の天産物をそのままか,またはその一部,あるいは動植物のエキス,分泌物,細胞内含有物を乾燥など簡単に加工を施し,薬用に供するものである。しかし,直接医薬品となるものばかりでなく,生薬製剤,成分製剤の原料となるもの,ならびに香辛料,香粧品,工業薬品などの原料をも含む。生薬は乾燥などによって腐敗やカビなどの繁殖を防ぎ,動植物自体の酵素反応を妨げ,化学的,生化学的に経時変化の少ないものが常時利用できるようになった。…

【副作用】より

…本来は薬物治療において主作用と対比される概念。医薬品の生体に対する最も著しい作用で,治療の目的に利用されるものを主作用とし,治療上不必要なもの,または障害となるような作用を副作用とする考え方が一般的であった。しかし最近では,むしろ患者側に立った見方から,医薬品の使用により生体に生じた有害な反応すべてを含むことばとして用いられることが多い。…

【保険薬】より

…健康保険法にもとづく保険制度の範囲で用いられる医薬品。通常,医薬品を服用する場合,薬店,薬局から購入して服用するか,医療機関で医師の診察を受けた後,投与されたものを服用する。…

【薬用植物】より

…草本のときには薬草という。広義には古代から経験的に病気の治療および予防に用いられてきたもののほかに,医薬品の原料となるもの,香辛料嗜好品,薫香料,香粧品や,未開社会において食糧を得るための矢毒や魚毒なども含まれる。したがって薬用植物とは人間および動物に対して,特殊な生理作用を有する植物ということもできる。…

【薬用量】より

医薬品を,疾患の診断,予防ならびに治療の目的で,ヒトに適用する際の容量をいう。実験動物などに各種の試験をする場合にも同じ表現をとるが,この場合には必ずしも上記の目的のためとは限らない。…

【薬局方】より

…重要な医薬品について,その性状,品質,製法その他の基準を定めたもので,一般に法的強制力をもつ公定書のことを薬局方,略して局方という。薬局方の英語はラテン語のpharmacopoeaにさかのぼり,その語源はギリシア語のpharmakon(薬)とpoiia(作り方)の組合せに由来する。…

※「医薬品」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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