知恵蔵 「餃子の王将」の解説
餃子の王将
創業者の加藤朝雄が1967年に京都市中京区(四条大宮)に第1号店をオープン。京都市内を中心に店舗展開し、74年に会社を設立した。関西で50店舗を達成した後、関東、東海、九州などに出店し、87年には和食部門にも進出した。同社は93年に株式を店頭登録し、95年には大阪証券取引所第2部と京都証券取引所に上場した。しかし、子会社の不動産投資の失敗などから経営が悪化し、00年に創業者の義弟の大東隆行が4代目社長に就任して、不採算店の閉鎖や中華料理以外の業態の縮小撤退などを進めて経営再建を図った。その方法は従来のチェーン店経営とは異なり、セントラルキッチンでの加工は餃子のあんや皮の製造や製麺などにとどめ、店内で調理して作り立てを提供することを重視した他、店長教育に力を入れて店舗主導の店づくりを行っているのが特徴である。その結果、全店舗共通のメニュー以外に、地域に応じた独自のメニューやサービスが提供されている。2009年頃には、不況で外食企業が苦戦する中で既存店の売上高を伸ばし続けて、その成長力が注目された。証券市場再編などにより、14年現在は東京証券取引所第1部に上場している。
その再建を主導してきた大東社長が13年12月19日、本社前の駐車場で何者かに銃で撃たれて殺害された。新社長には渡辺直人が就任した。容疑者は14年1月31日現在、逮捕されていない。
(原田英美 ライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報