養蚕組合(読み)ようさんくみあい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「養蚕組合」の意味・わかりやすい解説

養蚕組合
ようさんくみあい

現在の養蚕農業協同組合の前身で,おもに部落単位に経済的な利益をはかる目的で組織された養蚕農家の任意申合せ組合。養蚕業の発展に伴い明治末期から大正期にかけ急激にふえたが,その多くは大資本に特約取引の形で従属していた。昭和恐慌下の 1931年公布された蚕糸業組合法に基づいて簡易法人養蚕実行組合となり,養蚕業組合の全国系統組織の基礎組織となった。 32年組合数約3万 8000,組合員数約 158万,全国養蚕農家の 76%が加入,共同販売購買,稚蚕共同飼育,共同桑園など各種共同事業を行なった。第2次世界大戦後,47年制定の農業協同組合法によって養蚕農協の全国系統組織の単位組合となった。現在,全国5万 2060戸 (1991) の養蚕農家は,総合農協もしくは養蚕農協のいずれかの単位組織に加入している。養蚕業の斜陽化に伴い影の薄い存在になっている。

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世界大百科事典(旧版)内の養蚕組合の言及

【養蚕】より

…かかる変化をとげつつ養蚕戸数はますます増加し,15年の167万戸(全農家の31%)が29年には222万戸(同40%)となり,とくに西日本の養蚕戸数が増加した。養蚕農家は製糸家による繭の買いたたきに対抗するため養蚕組合を結成するようになり,1925年には過半の養蚕農家が組合に加入するまでになった。繭の生産量も30年には39万9000tに達した。…

※「養蚕組合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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