稚蚕共同飼育(読み)ちさんきょうどうしいく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「稚蚕共同飼育」の意味・わかりやすい解説

稚蚕共同飼育
ちさんきょうどうしいく

主として1~2齢 (場合によって1~3齢) の蚕児飼育を共同で行う方法。技術のすぐれた人が蚕作安定に必要な諸条件を整えて飼育するので,個々の農家で飼うよりもすぐれた蚕が得られる。この場合,共同の稚蚕専用桑園を設けて採桑するのが普通。個人飼育に比べて,労力の面で約 40~50%,経費の面でも 60%以上の節約になる。また同じ組合せの交雑種を同一条件のもとで多量飼育できるので,自動繰糸機段階の製糸業の要求する産繭統一のためにも合理的。形式には,防乾紙育,土室育,電床育,土室電床育などがあり,最近では空調大部屋方式で自動飼育機が導入されている。今後は,桑に代って人工飼料が用いられるようになろう。

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