鶯のかいごの中の時鳥(読み)うぐいすのかいごのなかのほととぎす

精選版 日本国語大辞典 「鶯のかいごの中の時鳥」の意味・読み・例文・類語

うぐいす【鶯】 の かいごの中(なか・うち)の時鳥(ほととぎす)

(「かいご」は卵。鶯の巣の中に時鳥(ほととぎす)が卵を生んで、鶯の卵とともに鶯にかえさせた子の意) 子でありながら子でない。実の親子でないことをいう。
謡曲歌占(1432頃)「短冊の歌をおん読み候へ、『鶯の卵(かいご)の中(うち)のほととぎす、しゃが父に似てしゃが父に似ず』」
[補注]謡曲の挙例は、「万葉‐一七五五」の「(うぐひすの) 生卵乃中爾(かひごノなかニ) 霍公鳥(ほととぎす) 独り生まれて 汝(な)が父に 似ては鳴かず 汝が母に 似ては鳴かず」による。

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