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歌占 ウタウラ

デジタル大辞泉の解説

うた‐うら【歌占】

巫女(みこ)や男巫(おとこみこ)が神慮を和歌で告げること。また、その歌による吉凶判断。
「男巫(みこ)の候が、小弓に短冊を付け―を引き候が」〈謡・歌占
百人一首の草子などを任意に開き、そこに出た歌で吉凶を占うこと。
[補説]曲名別項。→歌占

うたうら【歌占】[謡曲]

謡曲。四番目物観世十郎元雅作。歌占を業とする渡会家次(わたらいいえつぐ)が、白山の麓で子の幸菊丸と再会し、神がかりとなって地獄の曲舞(くせまい)を舞う。

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大辞林 第三版の解説

うたうら【歌占】

歌による占い。巫女みこの唱える歌によって判断したり、選びとった短冊にある歌によって占ったりした。のちには草紙や百人一首を開いて出た歌によって占う風もあった。

うたうら【歌占】

能の一。四・五番目物。観世元雅もとまさ作。伊勢の神職度会わたらい家次が、歌占をして諸国を巡るうち、自分を尋ねる我が子幸菊丸と再会し、里人の所望で地獄巡りの曲舞くせまいを舞う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

歌占
うたうら

能の曲目。四番目物。五流現行曲。観世元雅(もとまさ)作。頓死(とんし)して3日目に蘇生(そせい)した若い男巫子(みこ)(シテ)は、地獄を見た恐怖で白髪となっている。弓につけた短冊を選ばせ、その歌で占う中世の風俗と、異常体験の異風の男を重ねた異色作。シテの舞う地獄巡りの曲舞(くせまい)が眼目である。山本某の作詞、海老名南阿弥(えびななんあみ)の作曲になるもので、八大地獄の恐ろしさを描く。この前後に元雅が親子再会談のストーリーを加えて能に仕立てたもので、終曲部の神のとがめの激しい狂乱状態の描写も特長である。生き別れの父を探す少年(子方)を保護する里人の役は、流儀によってツレともし、またワキでも演ずる。[増田正造]

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