知恵蔵 「黒執事」の解説
黒執事
物語の舞台は19世紀後半、ヴィクトリア朝時代の英国で、主人公はセバスチャン・ミカエリスという執事。玩具・製菓メーカーであるファントム社を経営する、弱冠12歳の少年シエル・ファントムハイヴに仕えている。セバスチャンは、深い知識と教養、優れた料理の腕前、高い武術とあらゆる面で有能で、主人のどんな無茶な命令も完璧(かんぺき)にこなす完全無欠の執事だが、実は悪魔という設定。
また、シエルはヴィクトリア女王のために諜報(ちょうほう)活動を行う闇の貴族「女王の番犬」としての顔も持ち、表ざたにできない事件の処理や調査も請け負っている。セバスチャンは事件の解明にも、その知識や体術で活躍する。個性豊かなキャラクターときめ細かく描きこまれた絵柄、ミステリー要素も含んだストーリーなどで人気となっている。
08年第54回小学館漫画賞 少年漫画部門ノミネート。10年ジャパン・エキスポ・アワード最優秀少年漫画部門賞を受賞。ドイツ最大の日本ポップカルチャーイベントAnimagicにて11年にBest International Manga賞を受賞。14年時点で42カ国と地域で発刊されている。
14年1月公開の実写映画は、水嶋ヒロの俳優復帰作となったことでも話題となった。映画は完全オリジナルストーリーで、セバスチャン役に水嶋ヒロ、セバスチャンが仕えるのは剛力彩芽演じる幻蜂清玄伯爵となっている。
(富岡亜紀子 ライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報