知恵蔵 「3年B組金八先生」の解説
3年B組金八先生
ドラマは、東京都内の下町の桜中学を舞台に、武田鉄矢が演じる国語教師・坂本金八が受け持つ3年B組を中心に展開される。高校受験を目前にした生徒の揺れる気持ちとそれを支える金八先生の葛藤(かっとう)を描く教育ドラマとして高い視聴率を集めた。中学生の妊娠・出産(第1シリーズ)や校内暴力(第2シリーズ)、不登校(第4シリーズ)など、社会的な問題を取り扱うことが多く、その他、いじめや親子問題など様々な問題がテーマとなり、それに真っ向から取り組む金八先生の姿が話題を集めた。
クラスには優等生から落ちこぼれまで、様々な生徒が在籍し、生徒役にはそれぞれの時代の人気若手俳優や歌手が起用されている。ジャニーズ事務所の新人歌手だった近藤真彦や田原俊彦など、俳優としてのキャリアが少ない人材が出演。また、小林聡美や上戸彩など、当時は無名の新人俳優だったが、その後実力をつけて成長した人も多い。一方、学校側の役は倍賞美津子や財津一郎、赤木春江などベテラン俳優で固めているのが特徴。
主題歌は武田鉄矢が所属するフォークグループ海援隊の「贈る言葉」で、卒業式ソングとして定着した。
32年間で約240人の生徒を見送った金八先生だが、2011年3月に「定年退職」を迎えることになり、最終回が放映された。最終回は4時間のスペシャル番組で、過去の生徒役だった俳優が生徒の保護者役として出演する場面もあった。
(金廻寿美子 ライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報