知恵蔵 「Pinterest」の解説
ユーザーは、ウェブ上に掲載されている写真や動画などで気に入ったものを、Pinterest内の自分専用のページに収集、分類する。自分専用のページには、「ボード」と呼ばれる画像貼り付け用のエリアが作成できるため、ユーザーは、任意のジャンルごとにボードを作成し、各ボードのジャンルに関連する画像を収集していく。
他のSNSでは、記事の掲載を「投稿」などと呼ぶが、Pinterestでは、画像を貼り付ける操作を「Pin(ピン)」や「Pinning(ピニング)」と呼ぶ。画像の共有も可能で、他のユーザーのボードに気に入った画像があれば、自分のボードに貼り付けることができるが、この行為は、「repin(リピン)」と呼ばれる。
Pinterestでは、他のSNSのように、フォローやコメントも可能だが、あくまでも収集した画像が主体となるため、文章による表現力の代わりに、収集した画像のセンスの良さなどが評価される。ユーザーは、収集した画像を基にして、趣味やセンスの似通った人々と交流していく。特に女性に人気があり、利用者の8割は女性である。
しかし、他のサイトから勝手に画像を取り込むことは、著作権の侵害になる可能性も高い。運営会社は、貼り付けた写真の著作者を表記するよう勧めているが、実際に著作者表記をしているボードは少ない。そこで、運営会社は、12年2月に、ピニングを防止するための「nopin」メタタグを用意した。ピニングされたくないウェブサイトの運営者は、このメタタグを使用することで、無許可のピニングを防止できる。
(横田一輝 ICTディレクター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報