管理(読み)かんり(英語表記)administration; management

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

管理
かんり
administration; management

一定の協働目的を効果的,能率的に達成するために,協働体系そのものの維持発展をはかる機能。通常は協働体系一般ではなく,定型的に確立された組織体について語られる。すなわち組織体の目的活動を推進するには,人員,物品,資金,情報などの諸資源を調達し,それら資源を合理的に配分,活用するための諸制度 (組織,人事,財務,文書) を整備するとともに,目的活動に直接かかわる企画および評価機能の充実をはからなければならない。これらすべてが組織体の管理であるが,最近では個々の組織体をこえた広範な政治社会の統制機能を論じる際に問題とされることも多い。

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デジタル大辞泉の解説

かん‐り〔クワン‐〕【管理】

[名](スル)
ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。「品質を管理する」「健康管理」「管理教育」
事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと。「管理の行き届いたマンション」「生産管理
法律上、財産施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用・改良などをはかること。

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大辞林 第三版の解説

かんり【管理】

( 名 ) スル
組織を取りしきったり、施設をよい状態に維持したりすること。 「ビルを-する」 「業務を-する」 「国立公園の-」 「品質-」 「健康-」 「 -者」
私法上は、財産などについて、その性質を変更しない範囲で保存・利用・改良を目的とする行為。または、他人の事務について、その内容を現実化するための行為。 → 管理行為事務管理監理(補説欄)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

管理
かんり

一定の目的を効果的に実現するために、人的・物的諸要素を適切に結合し、その作用・運営を操作・指導する機能もしくは方法を、管理あるいはマネジメントmanagementという。その中核的機能は調整であるが、対象が人的集団であるときはリーダーシップ(指導性)に、またそれが物的資源であるときはコントロール(制御)と表現されることが多い。管理機能の範囲にはいくつかの段階がある。最低水準の範囲は、保存ないし現状維持であり、私法上の「管理」行為のように、物または権利の現状や性質を変更しない行為をさす場合がこれである。最高水準の範囲は、目的の設定ないし変更をも含む調整であり、システムの運営に関する管理を広義に解する場合がこれである。この両者の中間の範囲がもっとも一般的な管理であり、経営者と区別した管理者を想定する、あるいは政治に対する行政上の「管理行為」を定めるなどはこれであり、この場合は、目的の設定は除かれ、現状維持以上の操作が含まれる。
 管理すべきシステムが単純で小規模な場合には、管理はそれほど問題をもたず、管理者(管理主体)は非専門家でよい。中小企業で世襲経営者や出資経営者が多かったり、大学で学者が学長になるなどは、非専門家管理の例である。しかし、システムが大規模・複雑化し、環境が激動するようになると、管理の重要性は高まり、管理そのものの機能分化が生じ、管理技術が発達して、管理専門家が出現するようになる。管理が調整を本質とすることに変わりはないが、変化した状況のなかで管理の有効性を保つために、管理の合理化・科学化が必要になる。このような管理の合理化・科学化を展開する思考には、組織的思考と計数的思考の二つがある。前者は、管理に関連するすべての要因(目的、主体、対象、行動など)を体系的・秩序的に配慮することをいい、後者は同じくすべての要因を計数によって表示・秤量(ひょうりょう)することをいう。このような二つの思考に関連させながら、管理を一つの過程としてとらえ、展開する試みも重要である。そのもっとも代表的なものは、管理を計画、組織、統制の3部分機能からなる循環過程としてとらえるものである。計画は目的に即した活動予定であり、活動の事前から事中へと作用する。組織は、計画を活動に展開し、活動を通して目的の有効な実現を図る仕組みである。統制は、計画と活動実績とを比較対照し、その差異の原因を解明し、必要に応じて是正措置をとり、かつ実績を次期の計画へフィードバックすることをいい、活動の事中から事後へと作用する。実際には相互に重複しているが、管理は基本的に、計画→組織→統制の反復的循環活動によって営まれているとみることができる。この過程をマネジメント・サイクル(管理の循環過程)とよぶ。これによって、実情に即した計画の設定と、計画的、組織的な実施活動の確保とが可能となる。
 各種の管理技術は、これまで述べた中核的機能、基本思考、部分機能に即して発展してきた。指導性についてはリーダーシップの理論と技術が、制御については情報と伝達のそれぞれについて理論と技術がある。計画には二つの基本思考が関係し、予測、代替案設計、代替案のなかからの選択などについて計画技術が発達した。組織には主として組織的思考をもとにした管理技術が多く、組織設計、人事、情報システムなどに具体化されている。統制は主として計数的思考をもとにした管理技術が多く、計算、比較、分析、監査、評価などに具体化されている。大規模なシステムでは、主体、対象、技術などを組み合わせた管理システムが形成され、それらは、対象の要素別、主体の階層別、活動の過程別、同じく活動の空間別(たとえば地域別)などに編成されることが多い。現代は管理社会ともいわれるように、管理貿易、管理価格、小集団管理などあらゆるレベルと対象について管理が存在する。問題は、管理システムが人間から遊離して、人間不在にならないような配慮が払われなければならないことである。[森本三男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かん‐り クヮン‥【管理】

〘名〙
① 管轄、処理すること。とりしきること。とりしまり。
※通俗赤縄奇縁(1761)四「油舗の生理は、丈人莘善に任せて、管理(クンリ)(〈注〉シハイ)せしめけるに」
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一「自ら愚なる政事を以て管理(〈注〉シハイ)せらるることなり」 〔福恵全書‐四・蒞任部・酬答書礼〕
② 法律上、財産を保存し、また、その性質を変更しない範囲内でその利用、改良をはかること。
※民法(明治二九年)(1896)二五条「其財産の管理に付き必要なる処分を命することを得」
③ ものの状態、性質などがかわらないよう、保ち続けること。「品質の管理」「自分の体を管理する」
事務を経営し、設備の維持、管轄にあたること。
※新西洋事情(1975)〈深田祐介〉泣いてパリに馬謖を斬る「君も管理部門で頭打ちのようだから」

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世界大百科事典内の管理の言及

【経営・経営管理】より


[経営・管理の語意]
 〈経営〉という言葉は今日,企業をはじめ行政,教育,宗教,組合など各種組織の運営にかかわる言葉として使われているが,日本語としていつごろ定着したかは確かではない。《日本国語大辞典》1940年版には,(1)縄張りをして土台をすえいとなみ造ること,(2)工夫をこらして物事をいとなむこと,とされ,中国春秋時代の《詩経》に(1)(2)の早い使用例があり,日本では(2)の使用例が室町時代の《太平記》にみられる。…

※「管理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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